トイレなのに水を使わない!?

バイオトイレのしくみは図のようになっている。私たちの糞尿の成分のほとんどは水分だ。その水分が便座下の便槽内のおがくずに吸収される。トイレ使用後はボタンを押し電動式スクリューで攪拌する。微生物が活発に動くように、おがくずはヒーターで55度前後に保たれている。微生物の作用と適温により数時間で糞尿を水と二酸化炭素に分解するのだ。臭いも殆ど発生せず、換気の設備も備えている。おがくずの交換は年に数回程度で大丈夫。取り出したおがくずは素手で触っても害はなく、有機肥料として再利用することができる。
4の用途キーワード

以下が、バイオトイレが力を発揮する4場面。
環境:下水道が通っていない山岳地域などでの使用。富士山や北海道の旭山動物園で使用され注目を集めている。現在私たちが日常生活で使用しているトイレは水洗トイレが殆ど。下水道流入水に糞尿を混入させなければ、水処理は比較的簡単に出来る。特に発展途上国ではバイオトイレが注目を集めている。現在、7カ国において正和電工のバイオトイレが使用されている。
介護:正和電工事務所の一室に置かれたイスが、実は介護用家具調イス式バイオトイレ(写真)。バイオトイレは臭いがしないためベッドのすぐ脇に置いておくことが可能である。
災害対策:水不要のため、災害時の仮設トイレとしての利用が期待できる。
循環:厄介な廃棄物である「し尿」を資源としてとらえ、植物が成長するために必要な成分のみを捕捉し田畑に有機肥料として還元できる。循環型農業を促進し、循環型社会の構築に貢献できる。水を汚さないことは食料の安全につながっている。大地に栄養を与え植物を育て、動物が食べ、糞として肥料分を大地に還すことで循環ができることになるのだ。
今後の課題は水洗トイレとの共存

バイオトイレの普及のためには、バイオトイレに対する多くの方の理解と法律の整備が必要。現在、建築基準法上、下水道処理区域では水洗便所以外の便所は常設できないと定められている。バイオトイレは水を使わず、微生物の発酵で発熱作用もあり、凍結の心配や断水の影響を受ける恐れがないのが特徴である。正和電工では、寒冷地の公衆便所や災害時の避難場所に指定されている施設などにバイオトイレが設置できるよう、法改正による規制緩和を提案している。しかし、まだ法律の整備はできていない。
決して「水洗トイレでなければならない」とか「バイオトイレにしたほうがいい」というのではなく、時と場合に応じて水洗トイレとバイオトイレを使い分け、両者が共存して使用されることが大切であり、そして必要なのだ。
|