有機物リサイクルシステムで持続可能な社会を
正和電工株式会社
自然の力で分解できない大量の糞尿は土壌汚染、そして環境破壊へとつながります。正和電工のバイオトイレシリーズはこうした問題の解決に取り組みます。 バイオトイレBio-Luxイメージ バイオトイレBio-Lux国土交通省認定・新技術NETIS No.HK040017-A
   
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バイオトイレについて
究極の循環型「バイオトイレ」に世界が注目
聞いて流せぬトイレの話(土木学会誌より)
廃棄有機物の分解処理装置の開発
第32回環境賞文献より
オガクズの能力を見直す
公開実験報告
推薦状
本体・図面
活用例
バイオトイレの現況報告
本製品の法律的根拠
中小企業海外展開支援事業

正和電工株式会社
〒078-8271
北海道旭川市工業団地
1条1丁目3番2号
TEL:0166-39-7611
FAX:0166-39-7612
「聞いて流せぬトイレの話」 『土木学会誌』2006年11月vol.91より

生活に必要なトイレ。生存に必要な水。水がない場所でトイレをつくるには?
そんなジレンマを直撃取材してきた。
取材:武田智子 山口由美子 学生編集委員


バイオトイレ −トイレに水が不要!?−
正和電工(株)社長 橘井敏弘

 バイオトイレとは、水を使わずに微生物の力で糞尿を処理するトイレのこと。そのバイオトイレの開発と普及に多大なる力を発揮している正和電工(株)の橘井敏弘社長に話を伺った。


トイレなのに水を使わない!?

   バイオトイレのしくみは図のようになっている。私たちの糞尿の成分のほとんどは水分だ。その水分が便座下の便槽内のおがくずに吸収される。トイレ使用後はボタンを押し電動式スクリューで攪拌する。微生物が活発に動くように、おがくずはヒーターで55度前後に保たれている。微生物の作用と適温により数時間で糞尿を水と二酸化炭素に分解するのだ。臭いも殆ど発生せず、換気の設備も備えている。おがくずの交換は年に数回程度で大丈夫。取り出したおがくずは素手で触っても害はなく、有機肥料として再利用することができる。

4の用途キーワード

   以下が、バイオトイレが力を発揮する4場面。
 環境:下水道が通っていない山岳地域などでの使用。富士山や北海道の旭山動物園で使用され注目を集めている。現在私たちが日常生活で使用しているトイレは水洗トイレが殆ど。下水道流入水に糞尿を混入させなければ、水処理は比較的簡単に出来る。特に発展途上国ではバイオトイレが注目を集めている。現在、7カ国において正和電工のバイオトイレが使用されている。
 介護:正和電工事務所の一室に置かれたイスが、実は介護用家具調イス式バイオトイレ(写真)。バイオトイレは臭いがしないためベッドのすぐ脇に置いておくことが可能である。
 災害対策:水不要のため、災害時の仮設トイレとしての利用が期待できる。
 循環:厄介な廃棄物である「し尿」を資源としてとらえ、植物が成長するために必要な成分のみを捕捉し田畑に有機肥料として還元できる。循環型農業を促進し、循環型社会の構築に貢献できる。水を汚さないことは食料の安全につながっている。大地に栄養を与え植物を育て、動物が食べ、糞として肥料分を大地に還すことで循環ができることになるのだ。

今後の課題は水洗トイレとの共存

 バイオトイレの普及のためには、バイオトイレに対する多くの方の理解と法律の整備が必要。現在、建築基準法上、下水道処理区域では水洗便所以外の便所は常設できないと定められている。バイオトイレは水を使わず、微生物の発酵で発熱作用もあり、凍結の心配や断水の影響を受ける恐れがないのが特徴である。正和電工では、寒冷地の公衆便所や災害時の避難場所に指定されている施設などにバイオトイレが設置できるよう、法改正による規制緩和を提案している。しかし、まだ法律の整備はできていない。 決して「水洗トイレでなければならない」とか「バイオトイレにしたほうがいい」というのではなく、時と場合に応じて水洗トイレとバイオトイレを使い分け、両者が共存して使用されることが大切であり、そして必要なのだ。


バイオトイレ −おがくずの謎−
北海道大学大学院農学研究院環境資源学部門 教授 寺沢実

 バイオトイレが臭いを発しない理由はおがくずのもつ能力にある。それでは、おがくずには一体どんな機能があるのだろうか。おがくず研究の先駆者である北海道大学大学院農学研究科の寺沢実教授に話を伺った。


おがくずは「屑」じゃない!!

 おがくずには高い空隙率、適度な保水性などさまざまな特色がある。バイオトイレには通常なら廃棄物となる普通のおがくずが使用されている。このおがくずには特別な菌などは使用していない。おがくず中に含まれる土壌細菌類に活動の場所を提供する役割を担っているのだ。
 バイオトイレはなぜ臭いがしないのか。汲み取り式トイレでの臭いは糞と尿が同じところで混ざっているために発生するようである。ヨーロッパでは糞尿を別々に集めて処理しているところもあるほど。バイオトイレは、おがくずの中に糞尿を排出し、スクリューで攪拌する。これは、おがくずが糞尿の分別を効果的に行っていることになる。おがくずは空隙率が大きく(一定容量のおがくずの80〜90%が空気)、表面積も大きい。尿は空隙に吸収され、糞はおがくず表面に広がり、空気に直接触れる。その結果、糞尿の有機成分はおがくずの好気性細菌により無臭のまま酸化分解される。バイオトイレが臭わないのは、おがくずが大きな役割を果たしていたのだ。

使用後のおがくずだって「屑」じゃない!!

   バイオトイレで使用された後のおがくずはどのように再利用できるのだろうか。使用後のおがくずには、大腸菌群や寄生虫など人体に有害な微生物は生息していないことがわかっている。バイオトイレから取り出した使用済みのおがくずはN(窒素)、P(リン)、K(カリウム)など植物へ有効な栄養分が多く含まれている。有機肥料として安心して活用できるのだ。
 また、使用済みのおがくずを熱圧縮すると接着剤を使わずにボードを作ることができる。このボードは実用に至っていないが、多くの使用用途が考えられている。
 たとえば、現在、輸入木材は日本の使用木材全体の70%と言われている。この輸入分を現地に還元しないと資源が循環しない。日本に木材を運んでいる海外の船が帰りに、このボードを積んでいけば、資源が循環する。現地でこのボードを砕いて粉にすれば、無料の肥料に早変わり(図)。しかし、これを実現するには、相手が満足する品質のコンポストを保たなければならない。現段階では実用レベルに達していないが、バイオトイレの普及が進んでいけば、さらに研究が進み資源の循環が実現に向かうだろう。


Sustainable Sanitation −なぜバイオトイレが必要か−
北海道大学大学院工学研究科 教授 船水尚行

 現在の水利用システムに疑問をもったことがないだろうか。遠くの山々から水を持ってきて、使って汚し、集めて遠くの下水道処理場へと流す。水の動きはあくまでも直線的、一方通行。これに対し、船水教授らの研究グループが主張するsustainable sanitationとは汚水の分離・分散型処理による物質循環が狙いだ。バイオトイレが世界に受け入れられるかどうかは船水教授らの研究にかかっている。


「混ぜない」分離型

 家庭から出る排水は、性質上三種類に分類できる。トイレ排水(black water)、高濃度雑排水(higher-loaded grey water)、低濃度雑排水(lower-loaded grey water)。
 これを分離して適宜、処理しようというのが「分離型」。それぞれの排水は水質が大きく異なるため、分離することにより処理が容易になる。このうちトイレ排水はバイオトイレで処理をすることにより、し尿に含まれる有機成分の再利用が可能となるというわけだ。


「集めない」分散型

 全世界に下水道を行き渡らせるためのお金はない。下水道システムにかかる費用の7割がパイプ、3割は処理場という数値からもわかる通り、パイプの維持管理には膨大な費用がかかるのだ。ここで発想転換。発生源に近い場所で処理をすれば集めずに済み、パイプが不要となる。予算の限られた発展途上地域に新しく導入するためには分散型が現実的だ。
 現在は、分離・分散型で効果的な処理が出来るか研究中。少量でも大問題となる薬や環境ホルモンが今後は焦点となってくる。

未来に向けて

 研究は以下の6部門に分けて行われている。
・分離・分散型システム研究
・コンポスト利用技術開発
・病原性微生物・微量化学物質モニタリングと健康リスク評価
・新システムの流域水・物質循環に対する寄与の評価法開発
・国内実施設による実証研究:旭川、秩父、小貝川、名護
・海外における実証研究:インドネシア・中国
 バイオトイレの研究は実際にし尿を使用を得ない。海外からし尿を持ち帰ることは難しいため、東南アジアと気候条件の似た沖縄県名護市でも実証実験を行っている。開発途上国に導入する場合と、先進国の現状システムを置き換える場合とで別々に検討しているのだ。
 バイオトイレの最大難点は、多量のエネルギー消費。し尿含有水を蒸発させるためのエネルギー源を電気ではなく別の物質に置き換えることを検討中だ。
 100年後の未来図を浮かべる余裕があるのは大学教授くらいと語る船水氏。バイオトイレの将来展望は晴れ。


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