障害者 高齢者 「広くて清潔」好評
神奈川県海老名市のNPO法人「やさしくなろうよ」が東日本大震災の直後から、下水設備の復旧が遅れている沿岸部などの被災地を、トイレを載せた2台のトラックで巡り、避難所などで被災者を支援してきた。仮設住宅が整備された今は、がれきを片付けるボランティアや、被災地の復興イベントの臨時トイレとして役立っている。
この「トイレカー」の個室トイレは清潔で広く、エアコンや車いす用のリフトも備える。水洗ではないが、タンクに敷き詰めたおがくずの効果で、排せつ物の臭いもほとんどない。
使用済みのおがくずは捨てることなく、加熱処理などで衛生的な堆肥として再生。被災地の農家に再利用してもらっている。
トイレカーはもともと、同市の警備会社「優成サービス」が工事現場や屋外イベント用に1台1千万円前後で開発。昨年1月、八木正志社長(62)は「福祉分野でも役立てよう」という思いから、NPO法人の認可を得た。その直後、震災が発生。「情報も乏しいまま、被災地に飛んでいった」と八木さん。震災から間もない同3月下旬、所有している4台の内2台を、津波で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市の避難所に設置した。当時、避難所のトイレは既に汚物であふれ、不衛生になっていた。ただでさえ、避難した障害者や要介護の高齢者にとって、公衆トイレは使いづらく、用足しを我慢することで体調が悪化した人もいた。八木さんはヘルパーの資格を持っている人をトイレカーの運転手に起用。避難所では運転手の介護で、障害者や高齢者が利用することができ、喜ばれた。被災地の各地で仮設住宅が整備され、避難所が減っていくと、トイレカーは宮城県南三陸町で、がれきを片付けるボランティアの臨時トイレとして活躍。週末は同県内で開かれる復興イベントに出向き、高齢者を中心に利用されている。
震災からもうすぐ1年。八木さんは「沿岸部は下水施設の復旧に時間がかかるだろう」と、今後も支援を続けるつもりだ。ただ、かさむ維持費が悩みの種。個人や企業、団体などからの援助を頼んでいる。問い合わせは、NPO法人「やさしくなろうよ」=電話046-235-5200へ。
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