有機物リサイクルシステムで持続可能な社会を
正和電工株式会社
自然の力で分解できない大量の糞尿は土壌汚染、そして環境破壊へとつながります。正和電工のバイオトイレシリーズはこうした問題の解決に取り組みます。 バイオトイレBio-Luxイメージ バイオトイレBio-Lux国土交通省認定・新技術NETIS No.HK040017-A
   
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バイトトイレ、ベトナムに

2015年12月15日北海道新聞

正和電工20年に80台出荷目指す
 バイオトイレ製造販売の正和電工は、ベトナム・クアンニン省の世界自然遺産ハロン湾と周辺の水質汚染を改善するため、同省政府と連携し、バイオトイレの普及に乗り出す。既に実施した実証調査で生活排水浄化の効果が得られたため、来年3月にも3種類20台を設置し、効果の検証、需要調査などを始める。2020年には年間80台の出荷を目指す。

世界遺産の水質改善図る
国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業として、近く同社とJICAの間で正式契約を結ぶ。事業費は1億円を見込み、期間は12月から18年5月までの2年半。観光施設や学校、一般家庭などにバイオトイレと浄化装置11台を設置し、住民や観光客に利用してもらう。
 関係機関と協力し、現地に適した排水システムやトイレ普及計画を構築するほか、住民の環境意識向上のための講座開催も予定している。
 事業に先立ち、同社は13年11月〜14年2月、ハロン湾と周辺にバイオトイレ7台を設置して調査を実施。水質改善、悪臭の解消などの効果が得られた。この時は1種類のバイオトイレを使用したが、今回は現地に適した種類を探るため、複数を試す。「電気代が高い」との声もあり、電気を使用しない手動式も送る。
 同社のバイオトイレは、処理層内のおがくずに含まれる微生物で排せつ物を分解する。国内では黒岳や富士山などに設置され、東日本大震災の被災地でも利用された。中国やロシア、インドネシアなど海外11カ所への販売実績もある。残渣は肥料として使うことができ、ベトナムでは農作物栽培試験にも取り組む。
 橘井社長は「ベトナムは、くみ取り式トイレがほとんど。バイオトイレで深刻な水質汚染を解消したい」と話している。

おがくずトイレ世界へ

2015年10月3日日本経済新聞

 「水を使わず、汚水も出さないトイレは地球に優しい」。し尿をおがくずで処理するバイオトイレで知られる正和電工の橘井社長は23年前、大病をきっかけに環境問題に目覚めた。最初に手掛けたのは生ごみ処理機。「生ごみよりうんこの方が簡単だ」。北海道大学の寺沢実教授(当時)の助言が背中を押した。

 「売り上げのことばかり考えていた」。がむしゃらに働いたせいか、45歳で胃がんを患った。胃の5分の4を切除する半日がかりの大手術。8日間も集中治療室にいて、生死の境をさまよった。  酪農・コメ農家の男6人兄弟の3男。父の入院で貧しく、北見市の職業訓練所で電気工事士の資格を取り、アルバイトで生活費と学費を捻出、北見北斗高校の定時制に通った。大学も合格したが入学金を用意できず、電気設備資材卸の旭陽電気(旭川市)に入る。
 学生時代の逆境をバネに北見、滝川、旭川で精力的に営業する姿を見たマスプロ電工の旭陽担当者から、「一緒に会社をやらないか」と誘われ、29歳の若さで設立間もない正和照明商事の取締役に。41歳で社長に就任してから自社の土地・建物を取得し、勢いをつけようとしていた矢先に大病が発覚した。

生ごみにヒント
 ふっくらしていた体格がやせ細り、以前のように広い道内を回れなくなった。15人ほどの社員の将来を支える新事業を模索し、1990年代に環境問題が浮上したのを受け「環境に特化しよう」と決意。製品化が当時相次いだ生ごみ処理機を仕入れて売ることにした。
 現実は厳しかった。生ごみは自治体の一般ごみに出せば済むため、なかなか売れない。ごみの再資源化を研究する寺沢教授に出会ったのはそんなころ。「うんこも同じ有機系廃棄物。おがくずでどちらも分解されて消える。使用後のおがくずは農業の肥料に使える」との説明を受けた。
 「くみ取り便所に生ごみを投げ込むようなものだ」。生家が農家だったので違和感がなく「素晴らしい」と直感した。早速、当時エコトイレと呼ばれていたおがくずトイレの試作機を製作していた長野県の会社から仕入れて販売に着手したが、その会社がすぐに倒産。「自分でやるしかない」とすぐさま決断した。
 おがくずトイレは便器の下の槽の中にスクリューがあり、おがくずとし尿をこねくり回す。おがくずに住み着いた微生物がし尿を分解し、臭いも消す。トイレ本体の金属加工、おがくず加湿用のヒーター、スクリューのモーターなどは外部に委託し、ファブレスメーカーへの道を歩み始めた。

15本の特許取得
 ペダルをこいで人力でスクリューを回す無電源型トイレなど独自開発に余念がない。バイオトイレの装置に関する特許は15本(うち海外特許は4本)あり、登録した意匠は27本、商標は4本に及ぶ。「小さな会社なので訴えられたら大変。防衛のため取得している」
 全国から来る問い合わせには「いかがわしいもの」と見る向きが今も少なくない。「日本は水洗トイレが普及し、困っていないから」。ただ最近は「下水道設備のない山や観光地に設置したい」と自治保全が目的の問い合わせが増え、方向性が正しかったと実感を深める。震災や洪水などでトイレが使えない事態を目の当たりにし、自治体の真剣味も増してきた。
 「世界には、し尿を垂れ流して川や海を汚している地域が多い。水洗トイレは下水道の整備更新に多額の費用がかかり、し尿処理に多大なエネルギーも費やす」。バイオトイレこそ解決策との信念を胸に、観光客の増加で汚染が目立つベトナムで近く、国際協力機構(JICA)の実証事業に取り組む。

階上岳に新休憩所

2015年9月10日東奥日報

 三陸復興国立公園内にある、階上町の階上岳大開平に新しい休憩所が完成した。休憩室のほか、荷物を置くロフトスペースや、水を使わないバイオトイレを備え、冬季も利用できる。
 完成した「階上岳大開平休憩所」は老朽化した旧休憩所に代わるもので、環境省が設置した。木造平屋で建築面積約41平方メートル、24時間、通年で利用できる。総事業費は約2600万円。
 内装には県産ヒバやスギを使用し、温かみのある雰囲気となっている。バイオトイレは県内の公共施設では3カ所目で、汚物をおがくずに含まれる微生物で水と二酸化炭素に分解して処理する。男性用、女性用とも1台ずつあり、合わせて1日約180人分を処理できる。荒天時の一時避難場所としての利用も想定している。
 5日に開所式が行われ、関係者29人が参加。晴天に誘われた登山客が見守る中、浜谷豊美町長らがテープカットをした。環境省八戸自然保護官事務所の知識寛之自然保護官は「冬も開いているので、いろんな人に四季を問わず国立公園の自然を楽しんでもらえれば」。頻繁に登るという八戸市の田村康男さんは「木の香りがして、きれいでいいですね。階上岳は子供でも登れる程よい高さだと思うので、もっと多くの人に来てほしい」と話した。

時の人

2015年8月12日岩手日報

「バイオトイレ」の開発研究を進める橘井敏弘さん

 世界遺産の富士山、ロシアの永久凍土地帯など、下水道配備ができない地域でも使えるバイオトイレを開発する北海道旭川市の「正和電工」の社長。社員は約10人だが、観光客増加で水質汚染が進むベトナムの世界遺産「ハロン湾」の改善事業にも携わり、活躍の舞台は世界に広がる。  便座の下の箱をのぞくと見えるのは、おがくずとスクリューのみ。用足し後はかき混ぜられて排せつ物は見えなくなる。臭いはほぼなく、年に数回おがくずを換えればずっと使える。「使用後もさらさら、肥料にもなる。水洗にも負けない」と力説する姿は少年のようだ。
 照明器具の卸問屋がトイレ開発を始めたのは、45歳で胃がんが見つかったのがきっかけ。胃の大半を切除、食事を残す機会が増え、生ごみや排せつ物処理に関心をもった。既存のバイオトイレは臭いが気になり、排せつ物分解の鍵となるスクリューは試作を重ねた。
 「信じない人が多かったんじゃないの」。発売から5年間はほとんど売れず、経営も苦しい状況が続いた。それでも「いつか世界が必要とする日は来る」と信じ、開発を進めた。やがて学者や使用者からの評価が増え、国内外で2500台が稼働するまでになった。
 東日本大震災の避難所でのトイレ事情を聴き、2週間使える簡易バイオトイレも開発。約20年の業績が評価され、4月に黄綬褒章を受けた。「旭川から水洗トイレに次ぐトイレ革命を世界に起こしたい」。妻と2人暮らし。北海道出身、68歳。

ベトナムでトイレ展開

2015年8月11日日刊工業新聞

バイオ・新浄化システム提供

 正和電工は、ベトナムでトイレ市場の開拓に乗り出す。国際協力機構(JICA)の事業に採択されたのを受け、同社が手がけるバイオトイレと新浄化システムをベトナム国内の公共施設などに提供する。生活排水による環境負荷を低減するシステムとしての認知度向上を図り、ベトナムから世界的な展開の足がかりをつくる。
 バイオトイレは、タンク内におがくずを用い、加熱しながら撹拌し微生物を活性化させ、汚物を分解・堆肥化させる。水が必要なく、においも出ないのでさまざまな場所に設置が可能。新浄化システムは、生活雑排水を対象に沈殿による分離や備長炭による吸着、木炭に付着する生物膜で分解する。
 JICAの事業に採択され、9月から2018年2月まで、バイオトイレと新浄化システムを活用した環境改善技術の普及・実証事業に取り組む。長大(東京都中央区)や埼玉県環境検査研究協会(さいたま市大宮区)などが参画。バイオトイレと新浄化システムを計約30台用意し、観光船や学校など公共施設、家庭に提供する。バイオトイレに使われたおがくずを肥料として活用し、1次産業の活性化にもつなげる。バイオトイレを製造・販売する現地法人の設置も計画する。
 ベトナムは大都市では下水道処理の整備が進んでいるが、中規模の都市などでは遅れている現状がある。橘井社長は「トイレには世界的な関心が高まっている。循環型社会の実現に向けて取り組みたい」としている。

バイオトイレやカーポートなど11社が新製品発表

2015年7月23日北海道建設新聞

 札幌商工会議所は21日、5回目となる「新製品・新サービス合同記者発表会」を北海道経済センターで開き、道内企業11社が新たな取り組みや新製品の特長を報道機関や会員にアピールした。
 正和電工は女性専用の仮設用バイオトイレを発表。し尿をおがくずで分解する同社のバイオトイレを使い「女性職員が開発に携わり、きれいで、快適なレディー用の仮設トイレを目指した」と強調した。
 各社は発表後、個別ブースで報道機関や会員と交流。製品の特長や開発経緯を発表したショーワ(本社・石狩)の岡崎大取締役は「こうした形の発表は初めて。伝え方の勉強になり反省も含め今後の販売に生かしたい」と話していた。

道内中小3社、アジア展開

2015年7月22日日本経済新聞

JICAが支援 排水浄化や農機

 道内の中小企業3社が今年度、商品・サービスのアジア展開を始める。シーイー・フォックス(千歳市)、正和電工(旭川市)、東洋農機(帯広市)の3社でいずれも国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業として上限1億円の予算を受ける。規模が急拡大するアジア市場へ、道内で培った技術・ノウハウの発信を目指す。
 シーイー・フォックスは設計技術者を育成するeラーニングシステムをタイで展開する。日系の製造事業者も多く進出しているタイでは、技術者の確保が必要になっており、現地の日系企業と連携して教育効果の実証などに取り組む。
 正和電工はおがくずを使ったバイオトイレと、生活排水の浄化システムをベトナム東北部のクアンニン省で実証する。上下水道のない場所でも設置できるバイオトイレを一般住宅向けとして、すでに実証を始めている。
 東洋農機はインド市場向けにジャガイモ収穫機の開発、普及活動を始める。性能と価格が適合する製品作りへ、パンジャブ州や農業組合、大学などの協力も得る。
 JICAの中小向け事業は2012年度から始まった。道内はこれまで2件が現地実証事業に採択されている。

ベトナムの排水処理環境整備に挑む

2015年7月14日プレスリリース 独立行政法人国際協力機構 北海道国際センター

〜「バイオトイレ」と「新浄化システム」の活用〜

 国際協力機構(JICA)は、2015年度中小企業海外展開支援事業の一つである「普及・実証事業」の案件として、北海道旭川市の株式会社 正和電工が提案した『「バイオトイレ」と「新浄化システム」を活用した環境改善技術の普及・実証事業』を採択しました。
 この案件は、同社が東南アジア・ベトナム社会主義共和国クアンニン省を対象地域として、@便器内に敷き詰めたオガクズをスクリューで撹拌し、ヒーター加熱により細菌や微生物等を活性化することによりし尿を浄化する「バイオトイレ」と、A生活排水を沈殿作用により固液分離したり、木炭に付着する生物膜が有機物を分解する生物的浄化作用等を行う「新浄化システム」を有機的に結合して設置・運用することにより、対象地域の生活排水を主とする水環境の改善を図るとともに、使用済残渣を有機肥料として活用することにより高価な化学肥料への依存の軽減にも寄与するものとして期待されています。
 「普及・実証事業」は、中小企業等からの提案に基づき、中小企業等が持つ優れた製品・技術等が途上国の開発へどのように適合し有効性を高められるか、実証活動を通じてその普及方法を検討することにより、開発途上国が抱える課題を解決するために中小企業が持つ製品・技術を活用するための事業計画立案等を支援することを目的としたものです。このようなJICAによる「中小企業支援事業」は2012年に始まり、北海道からも多くの案件が採択されています。
JICAについて

モンゴルに技術協力を

2015年6月13日北海道新聞

大蔵省高官ら旭川訪問

 モンゴル大蔵省の高官らが11〜13日の日程で旭川市を訪れ、モンゴルへの企業進出や技術協力に関するPR活動を行っている。12日には市職員が国際協力機構(JICA)を通じてウランバートル市の再開発・区画整理事業などに協力していることから市役所を訪問した。
 旭川市は5年前から、JICAの「都市開発実施能力プロジェクト」や「寒冷地における都市開発技術改善事業」に職員を派遣。ウランバートル市での再開発・区画整理事業の法整備やマニュアル作成、道路の施工・技術管理などを支援している。また、寒冷地に対応する技術を持つ市内の企業が造園や住宅建築などの分野でモンゴルへ進出している。
 一行はJICAの中小企業への融資制度が来年から拡大し、日本企業との合弁会社も融資の対象となることから、市内の企業に同制度をPRするために旭川を訪れた。同日、市役所で西川将人市長に面会した大蔵省金融政策のトゥグルドゥル・バージーフゥ局長代理は「バイオトイレなど、日本の先進技術の導入に期待している」とアピールした。

国見岳登山口近くバイオトイレ設置

2015年6月7日熊本日日新聞

ペダルこいで処理

 山都町は、同町目丸の林道沿いに微生物を使い、し尿を分解する「バイオトイレ」を設置した。県内最高峰の国見岳(1739メートル)広河原登山口近くにあり、用を済ませた人がペダルをこいでし尿を処理する。
 バイオトイレはログハウス風の外観で、小便器と大便器を1基ずつ備える。小便器隣のペダルをこぐと、便そう中にある微生物が付着するおがくずがかくはんされ、し尿が分解される。事業費は約500万円。
 同登山口付近にはこれまでトイレがなく、環境保全のため設置した。バイオトイレは悪臭が出ず、し尿を流すための水や電気も不要なため、山岳地帯で整備が進んでいる。
 町山の都創造課は「最近は女性の登山客も増えている。トイレを気にせず、安心して山を楽しんでほしい」と話している。

女性用仮設トイレ

2015年6月5日日経MJ

化粧直しや着替えも

 環境にやさしいバイオトイレなどを手掛ける正和電工は女性専用の仮設トイレを商品化した。室内をピンク系の色調でまとめ、化粧直しに便利な鏡や小物置きを取り付けた。土木建設現場などのほか、女性客が集まる屋外イベント会場のニーズも取り込む。
 衣服を掛けるフックや手洗い場、換気扇も設置。女性が安心して使えるよう、人が近づけば照明が点灯し、非常時に警報ブザーも鳴らせる。トイレ本体はおがくずで排せつ物を分解処理する同社独自の機器を標準装備し、水洗や下水処理設備のない場所で使える。
 「従来の仮設トイレは男性目線で設計した男女共用で、女性は使いづらい面があった」。汚い、臭い、怖いなどの不満を解消するため女性社員の声を取り入れ、使いやすさや快適さを徹底的に重視して開発した。
 幅1.9メートル、奥行き2メートル、高さ2.5メートルの商品は260万円。着替え用に1畳間を設けた幅3.2メートルの商品は350万円。1日約50回の使用が可能で、おがくずは年2〜3回取り換える。年間100台の販売を目指す。

女性専用・仮設バイオトイレを発売

2015年6月2日あさひかわ新聞

 バイオトイレ製造・販売の正和電工が屋外に設置する女性専用の仮設バイオトイレを開発、販売を始めた。
 バイオトイレはオガクズの中に棲む微生物が糞尿を水とCO2に分解し、水を使わないため下水施設も汲み取りも必要がない。その優位性から、国内の景勝地や観光地、災害時の避難者施設などで使われているほか、トイレ設備が整っていない開発途上国に輸出されている。
 橘井社長は「近年、工事現場や農業に従事する女性が増えてきている。また、観光地を訪れる女性がトイレの数が少ないことに不便を感じていることがあると聞いていた」と女性専用の仮設トイレ開発のきっかけを説明する。
 トイレは二タイプ。標準型は入口の幅が1.7メートル×奥行き1.9メートル×高さ2.45メートルで、価格は260万円。デラックス型は横幅が3メートル、奥行き・高さとも標準型と同じで、350万円(2つの型とも、トイレの機種によって価格は変動する)。
 内装は明るい色の壁紙で仕上げ、鏡2枚、手洗い場、換気扇のほか、自動センサーの照明、不審者対策用の非常用警報ベルもある。
 デラックス型には、便器の陰に壁で仕切った一畳分のスペースが設けられ、着替えも出来るようになっている。2タイプとも、同社の前に展示している。

「快適、きれい」女性専用トイレ

2015年6月1日日刊工業新聞

おがくずで排せつ物を減容化するバイオトイレに女性専用の仮設用トイレを追加し、発売した。「快適、きれい」をコンセプトに「女性の部屋」のようなトイレに仕上げた。手洗い機や物置台、警報ベルなどを設置。着替え場所としての畳付きタイプも用意。女性目線で必要なものをそろえ、働く女性が増えている農場や工場、観光地の女性用トイレとして売り込む。価格は畳付きトイレが350万円(税別)など3タイプがある。

女性の視点で専用バイオトイレ発売

2015年5月26日北海道建設新聞

内装ピンク、ひと息つける空間に

 水を使わないバイオトイレを販売する正和電工は25日に女性専用バイオトイレを新発売した。工事現場や農耕地で働く女性、観光地を訪れる女性向けに内装をデザイン。女性の社会進出を後押しする。
 ゆったりとした個室サイズのKKL型と、一畳分の更衣スペースが付属したKKL-DX(デラックス)型の2種類。販売価格(税抜き)は、KKL型が260万円、KKL-DXが350万円。どちらも女性が快適に使用できるように大きな鏡のほか、荷物を置ける棚やフックを取り付けた。女性社員の提案で、カーテンや壁紙などの内装は淡いピンクで統一。ほっと一息つける空間に仕上げた。
 外装には旭川市のご当地キャラクター「あさっぴー」と、その友達でキリンの女の子「ゆっきりん」をあしらった。バイオトイレは道外に販売することも多いため、日本全国に「旭川の技術」をPRする目的で採用した。
 橘井敏弘社長は「これまで男性目線で作ってきたが、工事現場をはじめとする女性の社会進出の機会が増えていることが開発のきっかけ」と語り、「自身の部屋のような感覚でゆっくりしてもらいたい」との思いを込める。
 従業員の佐々木麻央さんはバイオトイレについて「初めは抵抗があったが、使ってみると臭いも全くなく快適。事務所は全てバイオトイレで、使用時以外ドアは開けっ放しなんです」と笑顔で話す。便器内のおがくずがクッションとなることで、女性が気になる音が響かないため、無駄に水を流したりする必要もないという。

仮設トイレ女性専用

2015年5月23日日本経済新聞

化粧直し用の鏡、警報ブザー設置

 環境にやさしいバイオトイレなどを手掛ける正和電工は女性専用の仮設トイレを商品化する。室内をピンク系の色調でまとめ、化粧直しに便利な鏡や小物置きを取り付けた。少子高齢化が進むなか、土木建設現場や農作業など屋外の職場で働く女性が増えている。女性が働きやすい環境を求める需要を取り込み、年間100台の販売を目指す。

 化粧直し用の備品のほか、衣服を掛けるフックや手洗い場、換気扇も設置。女性が安心して使えるよう、人が近づけば照明が点灯し、非常時に警報ブザーも鳴らせる。トイレ本体はおがくずで排せつ物を分解処理する同社独自の機器を標準装備し、水洗や下水処理設備のない場所で使える。
 「従来の仮設トイレは男性目線で設計した男女共用で、女性は使いづらい面があった」(橘井敏弘社長)。汚い、臭い、怖いなどの不満を解消するため女性社員の声を取り入れ、使いやすさや快適さを徹底的に重視して開発した。
 幅1.9m、奥行き2m、高さ5mの商品は260万円。着替えや休息用に1畳間を設けた幅3.2mの商品は350万円。1日約50回の使用が可能で、おがくずは年2〜3回取り替える。25日に受注を始める。
 男性が多かった工事現場などに女性が増え、政府も女性の活躍を後押ししているため、仮設トイレの需要も高まると判断した。女性客が集まる野外イベント会場のニーズも取り込む。大地震など自然災害時や水洗トイレが使えない自然環境の保護地区でも利用でき、官公庁の需要も見込む。
 女性仕様にこだわった仮設トイレは、昨年に積水ハウスが仙台市と共同開発した「おりひめトイレ」がある。女性の安全・安心・快適性を確保するために水洗式の洋式トイレを採用、防犯ベルや間接照明も取り付けた。「自治体から引き合いがあり、本格事業化を目指している」。

今春、黄綬褒章を受章

2015年5月20日環境新聞

バイオトイレ普及へ、20年間の取り組み評価

 今月15日に伝達式と天皇陛下拝謁が行われた春の褒章において、正和電工社長の橘井敏弘氏に黄綬褒章が授与された。
 正和電工は、小規模だが技術立国日本を象徴する会社である。主力商品はバイオトイレ「Bio-Lux」で、し尿をおがくずにより処理をする。20年前から販売しておりその実績が評価され今回の褒章となった。
 20年前当時、おがくずを使った生ごみ減容装置が流行していた。しかし、橘井氏は、おがくずはし尿処理の方が適していると着想、技術を買って改良を加え「水を使わず流さないトイレ」として販売した。し尿のほとんどを占める水分はおがくずに染み込んで蒸発し、特に菌を投入しなくてもし尿や紙の有機物は微生物で分解される。おがくずを年に2回から3回交換し、発生したものは堆肥として使用できる。
 おがくずは材質を問わないのでどこでも手に入り、間伐材の有効利用として注目されている。おがくず交換は容易で、メンテナンスのために業者を呼ばなくても良い。バイオトイレは、サイズも直結式の小型から山岳トイレに使用されている大型のものまであり、使用回数を守れば臭気発生もない。
 下水道処理区域内でも移動できる仮設トイレとして扱われることになり、地震などにより上下水道が使用不能になっても電気があれば使用できる。従来の仮設トイレはし尿汲み取りが必要なのですぐ使用できなくなるが、バイオトイレであれば処理機能付きなので、自治体に新世代備蓄トイレとして販売数が増えている。オプションで洗浄便座も搭載できる。
 登山・レジャー客による汚染や山小屋の負担が問題となっている山岳・自然公園のトイレにも水と汲み取り不要なバイオトイレが高く評価されている。電源がないところへは、自然エネルギータイプや自転車ペダルによる攪拌式により対応する。イベント会場への臨時トイレとしても従来の仮設トイレより快適に使用できる。工事現場や介護用などの移動式トイレとしても水洗トイレと異なり配管不要で設置が容易なことより、環境の改善に役立つものとして期待されている。
 橘井氏は、「組み立て式のおがくず攪拌器がない安価なタイプを発売した。これでも2週間は使用できるので避難指定場所に設置してもらいたい。さらにし尿以外の有機廃棄物分解装置も販売中で、北海道で問題となっている駆除したエゾ鹿を投入したところ2週間で分解したので動物専用処理装置として開発している。また海外からもODA物件として設置して評価されている。トイレ自体が処理できる衛生トイレとして、不衛生なトイレで死亡している多数の人を救いたい。バイオトイレと生活雑排水用浄化槽の組み合わせを推奨したい」と、バイオトイレのさらなる普及に期待を寄せている。

連携を期待

2015年5月21日日刊工業新聞

 「ビル・ゲイツ氏が目指しているのはバイオトイレだと思う」と強調するのは、正和電工社長の橘井敏弘さん。ビル・ゲイツ財団はトイレのイノベーションを求めてコンテストなどを実施してきた。
 バイオトイレの開発で、このほど春の褒章で黄綬褒章を受章。「世界はまだ知らないだけ」と国際協力機構(JICA)の事業に申請し、ベトナムでバイオトイレの海外展開も目指す。
 「彼らも当然情報収集をしているはず。実績ができてくれば、財団と組んでできることがあるはずだ」と自信をみせる。世界的な循環型社会に向けた一歩としての連携も期待される。

バイオトイレ 女性用も

2015年5月20日日刊工業新聞

正和電工「快適、きれい」実現

 おがくずで排せつ物を減容化するバイオトイレに女性専用の仮設用トイレを追加し、25日に発売する。1日当たり約18回から22回処理できるタイプは225万円(消費税抜き)。同45−55回処理できるタイプが260万円、着替え場所としての畳を加えたタイプが350万円の計3タイプ。農場や工場で働く女性向けや観光地の女性トイレとして、年間100−300台の販売を目指す。
 サイズは高さ2.45×幅1.7×奥行き2b。畳付きタイプは高さ2.45×幅3×奥行き1.91b。バイオトイレはおがくずの特性によって、排せつ物を水と二酸化炭素(CO2)に分解する仕組み。今回、「快適、きれい」をコンセプトに「女性の部屋」のようなトイレに仕上げた。トイレ内には手洗い機や物置台、警報ベルなどを設置。着替え場所としての畳付きのトイレも用意し、女性目線で必要なものをそろえた。農場や工場でも女性の進出が活発になっていることからニーズがあると判断した。

バイオトイレに政府がお墨付き 黄綬褒章励みに一層の努力

北海道経済2015.6月号

 入手が容易なオガクズを利用してし尿を処理する「バイオトイレBio-Lux」。その普及のために長年尽くしてきたことが政府に評価され、春の「黄綬褒章」を受章。5月15日には東京での伝達式に続いて、皇居で天皇陛下、皇后陛下に拝謁する予定だ。「時代に合わない法律が普及の足かせになっていたのに、政府に認められるなんて」と感慨深げに語る。
 「水洗トイレ最優先」から、状況に合わせてさまざまなトイレのあり方を認める方向へと政府の姿勢も転換しつつある。工事現場や田畑で女性の労働力が増えていることから、農水省や国土交通省は設置が簡単な仮説トイレの設置を加速する方針。環境省を観光地への負担が軽い仮説トイレの設置を提唱している。
 「近く本社前に、従来の仮説トイレのイメージを覆す、きれいで快適なバイオトイレを2台設置します。ここまで進歩しているということを知ってほしいですね」
 大量の水を消費する水洗トイレは、途上国・新興国にとっても深刻な問題。政府はベトナムでのバイオトイレ設置に向けた調査研究を後押ししており、この4月には正和電工から外務省に普及実証に関する提案を行った。採択されれば9月から事業がより本格化する見通しだ。
「受章を励みに、バイオトイレの国内外での普及のために一層努力します」と決意を新たにする。

「バイオトイレ」褒章で普及期待

2015年5月8日日本経済新聞

 「いかがわしい製品だと思われがちだったが、やっと信用してもらえるかな」。おがくずで排せつ物を処理するバイオトイレを製造する正和電工(旭川市)の橘井敏弘社長は業務の精励者を対象とする今年度の黄綬褒章を受章した喜びを語った。
 同社のバイオトイレはおがくず内の微生物が汚物を分解することで下水処理が不要な点が特徴だ。「東日本大震災などの大地震で水洗トイレが使えない問題が生じたため、自治体から照会がきている。下水設備が整っていない観光地の自然保全にも貢献したい」と受章を機に製品の普及を期待していた。

春の褒章 道内35人

2015年4月28日読売新聞

バイオトイレで環境守る

春の褒章受章者が28日付で発表され、道内からは35人(うち女性6人)が栄誉に輝いた。道内の受章者に喜びの声を聞いた。
水を使わず、タンク内でおがくずとふん尿をかき混ぜて、有害な菌を滅菌して堆肥化するバイオトイレの研究、開発に携わる。受章に「関心が集まり、1台でも多く売れれば、それだけ地球環境への負荷を減らせる」と喜ぶ。
北見市出身。アルバイトをしながら定時制高校を卒業して電気機器会社に就職。その後、今の会社に移り、1988年に社長に就任した。胃がんで食べ残しが増え、生ごみを堆肥化するコンポスト式の処理機に注目。調べていくうちに、おがくずで生ごみやふん尿を処理できることを知り、バイオトイレの自社開発に乗り出した。介護用にソファと一体化したもの、電気が不要なものなどを製品化した。
バイオトイレは、おがくずに消臭作用があり、悪臭が発生しない。旭川市の社屋はすべてバイオトイレでドアは開けっ放し。「初めてみた人はびっくりするけどね」と笑う。
東日本大震災後、問い合わせは2倍ほどに増えたという。「バイオトイレを地球全体に普及させていきたい」と意欲を燃やす。

バイオトイレ、挑戦続く

2015年4月28日朝日新聞

「やっと国に認められたかと思うとうれしい」正和電工の橘井敏弘社長(68)は静かに語った。橘井社長が考案したバイオトイレは、水も特別な菌も使わず、おがくずに含まれるバクテリアと攪拌機の働きで排泄物を跡形もなく分解し、肥料などとして再利用できる。研究を重ね、1998年に商品化した。
社員10人の小さな会社だが、富士山頂など山岳や公園を中心に国内外で約2500基が活躍しているという。これまでに特許14件を取った。
だがここまでくるには苦難の道のりがあった。日本の建築基準法は下水処理区域内のトイレは水洗と定めている。規制緩和を働きかけ続けたが、国は首をタテにふらない。
流れが変わったのは東日本大震災。避難所のトイレ問題が深刻化し、国は下水処理区域内でも「仮説建築物」としてバイオトイレを認めた。「国に提案し続けたかいがあった。バイオトイレが1台売れればその分、水がきれいになる」
建築や農業現場に女性の進出が増えていることから、化粧台や着替えスペースを備えた「女性向けバイオトイレ」を5月にも新発売する。バイオトイレ技術を応用した大型処理機も開発し、水産廃棄物や駆除したエゾシカ処理に活用。バイオトイレと生活雑排水を木炭で処理する浄化槽を組み合わせた新システムも考案。ベトナムの世界遺産ハロン湾の水質境改善実証事業に貢献するなど同社の技術は世界へ広がっている。
「『水を使わない』『水を汚さない』というバイオトイレ技術で地域環境を守りたい」橘井社長の挑戦はまだまだ続く。

環境への貢献が認められる

2015年4月28日あさひかわ新聞

バイオトイレを製造・販売している正和電工の橘井敏弘社長(68)が、春の黄綬褒章を受章する。褒章は社会や公共の福祉、文化などに貢献した人を政府が顕彰する制度。
橘井社長は「廃棄有機物の分解処理装置バイオトイレの発明考案に精励し、水洗便所が設置できなかった自然公園や観光地などにトイレの設置が可能となったほか、災害時のトイレの問題、海外での水質向上策や環境問題に貢献した」という受章理由。
家電販売が主だった正和電工がバイオトイレ(当時はエコトイレ、コンポストトイレの呼称)の販売を始めたのは1995年(平成7年から)から。以後、同社独自で試行錯誤を重ね、オガクズの中に棲む微生物が糞尿を水とCO2に分解することに着目、水を使わずに下水施設も汲み取りも不要な現在のシステムを完成させた。「バイオトイレ」と名付けたのは橘井社長だ。その後、台所や洗濯、風呂で使った生活排水を浄化する新浄化装置も開発した。
正和電工のバイオトイレは、これまでに富士山や屋久島、白神山地、知床など、全国の景勝地や観光地に設置されるとともに、災害に備えて全国の自治体や企業が購入している。またロシアや中国、東南アジア諸国からの問い合わせも相次いでいる。
2012年度(同24年度)には、外務省の委託事業としてJICA(国際協力機構)の認証を受け、ベトナムの世界遺産・ハロン湾の水環境改善のため、バイオトイレと浄化装置を設置し、その性能を調査した。
これらの実績が認められ、国交省は下水道処理区域内では認めていなかったバイオトイレの設置を、13年(同25年)3月、認めると決定。これまで国内外に約2500台を販売してきた。

地球的な課題に水を使わないトイレ開発

橘井社長は「褒章受賞は大変嬉しい。バイオトイレに取り組んで25年、やっと国から認められた思いです」と感慨無量の表情だ。
「トイレは地球的な問題になっている。ビルゲイツが作った財団が水を使わない、地球環境を守る、新たなトイレの開発に4200万ドル(約50億円)を拠出すると世界に向けて発信している。水洗トイレが普及している日本は日常的には困らないが、阪神大震災や東日本大震災など、大災害の時、水が使えないため、最も困ったのがトイレ。下水道施設は毎年、維持管理に多額の金を必要とするが、バイオトイレは一度処理すると、そこで処理が完結するので、経費がほとんどかからないなど大きなメリットがある」とPRする。
3年前にバイオトイレの設置が下水道処理区域内でも認められたことから、同社は今後、大都市での災害などに備え、ビル内に水洗トイレとバイオトイレの併設を促す啓発活動を計画している。
橘井社長は「下水道整備は公的事業として自治体が進めてきた。バイオトイレも自治体が、水を浄化し、環境を守る設備として、重点政策として取り組むよう考えてもらいたい。当社は製造部門を持っておらず、バイオトイレは市内の約20社が部品を製造し、組み立てている。地場の企業が連携して製造している機器なんです」と強調する。
同社は女性が屋外では働く機会が増えていることに着目、着替えや化粧などができるスペースも取った女性専用バイオトイレも近々発売する予定だ。
授章式は5月15日、皇居前の如水会館で行われ、その後、皇居で天皇陛下に拝謁する。

歩み続けた軌跡に栄誉 春の褒章

2015年4月28日北海道新聞

経営する照明器具卸会社が、バイオトイレ製造、販売事業に乗り出して約20年。「受章を機に、水が不要のバイオトイレが、山のトイレや被災への備えとして、より認知されればうれしい」と話す。
バイオトイレは、おがくずを入れた処理層内で、ふん尿を水と二酸化炭素に分解する仕組み。大雪山系や富士山などに設置。東日本大震災直後の宮城県石巻市や南三陸町などでも使われた。使用後のおがくずは、肥料として使う。「手触りはサラサラ。臭いません」
40代で胃がんのため、胃の一部を切除。食事の多くを残す日々で、残飯の分解処理に興味を持ったのが、バイオトイレ事業に参入するきっかけ。「何が転機になるか分からない」としみじみとした表情で語る。

水の要らない‘バイオトイレ’で環境保全

HIGHLIGHTING Japan 2015年3月19日

 北海道のほぼ中央に位置する旭川市は、日本の気象観測史上で最低気温の、マイナス41.0℃を記録したこともある一方で、最高気温は36℃を記録するという寒暖の差の激しい土地だ。そのような環境下、市内の工業団地に、国や自治体などから数多くの賞を受賞し、国内外から多くの見学者が訪れる中小企業がある。水をまったく使わず、また水を汚さないという画期的なトイレを開発した、正和電工株式会社だ。
 水洗トイレを1日に利用する回数を数え、1日の消費量を計算すると、従来の機種では一回に13リットルもの水が流れ、最新の節水型でも5リットル以上を消費するという。
「水洗トイレでは、大量の水を無意識に使っている。限りある資源の無駄使いは、循環型社会に逆行している。水洗トイレの水の問題は放置できない」と語るのは橘井社長。
 同社が開発したトイレは微生物の働きによって排せつ物を分解する。‘バイオトイレ’「バイオラックス」と名付けられたこのトイレの仕組みは、以下のようになっている。
 便器の下部におがくずを入れた処理層を設け、その中に便やトイレットペーパー、尿を排せつする。ボタンを押すか、もしくは一定の時間が過ぎるとスクリューが回転し、おがくずと排せつ物が混ざって、排せつ物の水分はおがくずに吸収される。同時にヒーターで熱を加えて水分を蒸発させると、排せつ物はもとの10%以下の量の固形物となっておがくずに付着。この固形物はオガクズに含まれている微生物によって水と二酸化炭素に分解され消滅状態となるし尿に含まれている大腸菌はヒーターで55℃前後に温める過程で死滅する。
 処理層には、蒸発も分解も出来ない無機物(窒素、リン酸、カリウム等の肥料分)によって茶色や黒色に変化したオガクズの空隙に付着して残り、排せつ物の臭いも無い。それらの無機物は窒素やリン、カリウムなどで、たい肥として再利用できる。使用回数やおがくずの量にもよるが、平均して年2〜3回、おがくずを交換すればよいだけである。

  製品を改良するとともに、実証実験で知名度を上げた

 同社がバイオトイレの生産を開始したのは1995年だが、発売当初は壁に当たることも少なくなかった。最初の製品は、おがくずを撹拌する金属製のスクリューがらせん状だったため、撹拌している間に処理層の中のおがくずが徐々に偏り、最終的にはスクリューの刃が折れてしまうという問題が起こった。
 これに対して、「刃が折れるなら、最初から折れた形にしてみよう」と、スクリューの刃に切れ目を入れた。これによっておがくずがまんべんなく撹拌され、スクリューの刃が折れることもなくなった。
 また、おがくずの処理能力が間に合わず、苦情が出ることもあった。トイレの使用頻度とおがくずの量のバランスが崩れたためだ。そこで、使用回数とおがくずの量の実験を重ね、処理層の大きさとおがくずの分量を改善した。
 ハードの問題は解決したものの、知名度がないために販路の開拓は困難だった。バイオトイレは、水が不要なことから、上下水道の整備が整っていない場所で力を発揮する。例えば、山岳地帯や開発途上国、被災地、イベント会場など、水のないさまざまな場所での利用が可能だ。また、冬場に凍結して水洗トイレが使えない寒冷地にも適している。だが、水が不要で悪臭が発生しないという特長をなかなか信じてもらえず、問い合わせに対して実証を繰り返す日々が続いた。
 日本でバイオトイレの技術が認知されるようになったのは、2000年に行った、富士山での実証実験がきっかけだった。日本を代表する山、富士山を世界遺産に登録しようという動きが始まり、環境庁(現在の環境省)は、‘水を使わないトイレ’を全国から募集した。当時の富士山は、登山者が使用するトイレから垂れ流された、し尿やトイレットペーパーが山肌にこびりつき、「白い川」と呼ばれ、環境や景観を損なっていた。数社がトイレのサンプルを提供し、45日におよぶ実験が富士山で始まった。その結果、正和電工のバイオトイレだけが45日間稼働し、約8000人の排せつ物を水無しで処理することができた。  翌年、旭川市内にある旭山動物園に設置されたことで、バイオトイレの認知度はさらに広まった。旭山動物園は動物の生態を立体的に観察できる行動展示を国内で初めて本格採用し、1カ月に60万人を超える入園者を記録したこともある北海道有数の観光スポットだ。山腹にあることから下水道設備が不十分であるために水洗トイレはなく、異臭が少ない清潔なバイオトイレは来園者の評価を得た。
 ほかにも知床、白神山地、屋久島など、世界遺産に登録された景勝地にも同社のバイオトイレが設置され、環境保全に一役買っている。
海外では、現在海外7カ国に供給しているが、上下水道設備の整っていない東南アジアのほか、カナダやハワイの景勝地、凍結により水洗トイレが使えないサハリンの天然ガス・石油掘削現場などでも、同社のバイオトイレが活躍している。
特殊な用途にも対応し、女性用、男性用、仮設タイプ、周囲の景観を損なわないログハウスタイプ、介護用の家具調トイレ、障害者向けのスロープ式、超大型の家畜用など、さまざまなタイプが揃っている。電気の無いところでも使用できるよう、ハンドルやペダルでスクリューを回転させる、無電源対応型もラインナップに加えた。車に搭載した移動式もある。また、被災地の避難所では、汲み取り式の仮設トイレの悪臭が、被災者のストレスをさらに助長させるという。同社は災害用などに適した組み立て式のトイレも開発。
「さまざまな需要に応えていたら、200種類になってしまった。細かい要望に小ロットで対応できるのも、中小企業ならではの強み。この強みを生かして、大企業にできないことを叶えていきたい。悪臭もなく、排せつ物の汲み取りも不要で維持管理も簡単で、地球環境に優しい、水を使わないトイレだが、まだ一般の認知度が低い。そのため公共の場や一般家庭への拡大はもう少し先になると思うが、まずは地震などの災害に備えて、自治体や企業などにアピールしたい」
と、橘井社長はチャレンジ精神旺盛である。

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