有機物リサイクルシステムで持続可能な社会を
正和電工株式会社
自然の力で分解できない大量の糞尿は土壌汚染、そして環境破壊へとつながります。正和電工のバイオトイレシリーズはこうした問題の解決に取り組みます。 バイオトイレBio-Luxイメージ バイオトイレBio-Lux国土交通省認定・新技術NETIS No.HK040017-A
   
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正和電工株式会社
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TEL:0166-39-7611
FAX:0166-39-7612
 

正和電工のバイオトイレ ベトナムで現地生産へ
クアンニン省幹部が来旭 旭川市、商工会議所とも技術協定の覚書

あさひかわ新聞2017年5月16日

世界自然遺産ハロン湾実証実験で好成績
 バイオトイレの製造と販売の正和電工に11日、ベトナムのクアンニン省人民委員会幹部らが訪れ、同省への本格的なバイオトイレなどの導入に向け、工場と製品を視察した。
 正和電工は2013年から外務省15年からJICAの委託事業として、バイオトイレと排水などを処理する新浄化装置をベトナムの世界自然遺産ハロン湾(クアンニン省)の周辺施設や船舶、一般家庭に約40台設置して、実証実験を行ってきた。その結果が良好なことから、同省がバイオトイレと新浄化装置の本格的な導入を要望。今回の来旭は、クアンニン省でのトイレ普及拡大に向け、同社の技術指導のもとで、現地生産を行うことを目的にした覚書を交わすことなどが目的。同社とベトナムとの仲介役を務めた開発コンサルタントの長大(東京)がベトナム関係者を旭川に招いた。

1時間半かけバイオトイレの説明受ける
 ベトナムからの一行はクアンニン省人民委員会のダン・フィ・ハウ委員長代理ら幹部のほか、トイレの製造を行うエンヴィテック社、トイレの維持管理のウィプス社の社長・副社長ら21人。
 一行はバイオトイレや新浄化装置が置かれている同社工場で橘井社長の説明に熱心に耳を傾けた。
 ハウ委員長代理は「使用後、トイレ内にトイレットペーパーや新聞紙を入れても大丈夫か」「(糞尿を分解する)オガクズの代わりに籾殻(もみがら)を入れてもいいか」などと質問。橘井社長は「トイペも新聞紙も分解される」「籾殻だけだと、オガクズの3分の1の効果しかないが、オガクズと籾殻を7対3の割合で混ぜると、オガクズと変わらない効果がある」と答えていた。
 一行は多種多様な形態のバイオトイレや新浄化装置の説明を一つずつ受けながら、工場内を約1時間半をかけて回った。

ベトナムでの現地生産 軌道に乗るまで3〜5年
 工場の見学後、同社会議室で同社と長大、エンヴィテック社、ウィプス社の4社による現地生産に向けた覚書の締結が行われた。
 それに先立ち、ハウ委員長代理から「工場を見学させていただき、それぞれ感じた課題を出し合い、問題点を明らかにしてはどうか」と提案があった。
 橘井社長は「現地生産の目的は、製品の低価格化と現地に合った製品への改善を図るため。エンヴィテック社の製品を見せてもらったが、課題が多いと感じた。設置するバイオトイレが複数の場合、そのうち必ず1台は日本製のものとし、故障があった時の参考にしてもらいたい。ベトナム製が軌道に乗るには3年から5年かかると見ている。15日からエンヴィテック社の技術者らが来旭して、当社で技術指導を受けることになっている。バイオトイレの基本的な知識を身に付けてもらいたい」と話した。
 ハウ委員長代理は「私見だが、ベトナムは暑く、糞を分解する時にも熱が出るだろうから、暑さ対策をどうするかが問題となるだろう。バイオトイレのスクリューを回す時に使う電気代が家庭にとって負担となることから、何らかの対策が必要だ。このプロジェクトが成功するよう支援していく」と答えた。

市内企業とベトナム企業 農業コンソーシアム設立の覚書
 翌12日、ベトナム・クアンニン省の幹部らは旭川市役所を訪れ、市や旭川商工会議所と農業や環境分野などで都市間・企業間の交流を行い、先進的な技術の取り組みを支援するという内容の覚書を交わした。
 また、旭川市内の企業4社とベトナム企業4社、それに開発コンサルタントの長大の9社が、農業コンソーシアム設立に向けた覚書も交わした。
 市経済部によると、JICAなどの委託を受けた企業の海外事業で、その企業だけにとどまらず、企業所在地の自治体や経済団体、他企業などと、各種協定の覚書を交わす例は旭川では初という。

旭川市・商工会議所・ベトナムの省 技術協力の支援覚書

朝日新聞2017年5月13日

民間の経済交流後押し
 旭川市と旭川商工会議所は12日、ベトナム・クアンニン省と農業、環境など様々な分野の技術協力を支援する覚書を結んだ。民間ベースで進む経済交流を後押しし、森林開発や教育などにも展開することが狙いだ。
 同省はベトナム東北部にあり、人口約120万人。旭川との関わりは、2013年に正和電工のバイオトイレがJICA事業に採用されたことから始まった。世界自然遺産に指定されている「ハロン湾」などで汚水処理が効果を上げ、現在も事業が続けられている。
 昨年は旭川商工会議所などによる視察団に地元10社が参加し、高品質の農作物を現地生産する可能性などを探った。今年1月にはベトナム側を旭川に招き、日本からの技術移転など相互交流を深める機運が高まった。
 12日は旭川市役所で締結式があり、クアンニン省人民委員会幹部のほか、環境技術や投資などの企業の首脳ら21人が出席した。同省の人民委のダン・フィ・ハウ委員長代理は「日本側の最先端の技術を学ぶだけでなく、文化交流もしていきたい」と話した。
 このほか、バイオトイレの現地生産・販売を目指す正和電工がベトナム企業と現地法人設立に向けた覚書を締結。谷口農場など市内4社はベトナム企業4社などと農業コンソーシアム(共同事業体)設立に向けた覚書を交わした。コンソーシアムでは、ベトナム農業に日本の高度な技術・サービスを提供することを目指す。

大学間でも年内に協定

北海道新聞2017年5月12日

 旭川市を訪問中のベトナム・クアンニン省の視察団は11日、旭川大を訪れ、山内亮史学長らと懇談した。同省のドンバック農業森林単科大と旭川大の交流について意見交換。山内学長は取材に対し、年内にも姉妹大学連携協定を結びたい考えを示し「旭川とベトナムの経済連携を大学としてもサポートする」と話した。
 視察団のうち大学、企業、省の関係者7人が訪問した。旭川と同省の企業が設立を目指す「農業コンソーシアム」は将来的に大学との連携を考えており、同省人民委員会のグゥエン・フー・ザン農業農村開発局長は「ぜひ旭川大との提携を願う」とあいさつした。
 ドンバック大には経済や農業関係の学部がある。グゥエン・ゴック・トゥイ学長は職業訓練プログラムの開発や、最先端の農業を学ぶための学生の派遣などを希望。山内学長は「食品加工や農業経済などの分野で提携、交流できると思う」と述べた。

正和電工、ベトナム2社にバイオトイレ技術供与

日本経済新聞2017年5月12日

 バイオトイレ製造の正和電工はベトナムの金属加工2社に、おがくずを使ってし尿や有機廃棄物を分解するバイオトイレや浄化装置の技術を移転する。11日、ベトナム北部クアンニン省の担当と企業の一行が正和電工を訪問。同省との仲立ち役を担う建設コンサルタントの長大とともに、ベトナム2社と覚書を結んだ。
 2社のうちエンヴィテックが生産を担い、ヴィプスが保守を受け持つ。6月にも現地で試験機の生産を始める。正和電工はライセンス料を受け取る。輸出でなく技術供与で製品の価格を抑え、同国で普及を促す狙い。  15〜18日に技術移転の研修を実施する。正和電工のほか同社製品を製造する協力会社のケンリツ(旭川市)で製品の生産、設置、保守などの方法を学んでもらう。
 生産するバイオトイレや浄化装置は、水を使わないため上下水道の整備が不要で山村部などに設置しやすい。正和電工は2013年から国際協力機構(JICA)の事業として製品を現地に運び込み、調査や実証試験を積み重ねている。

旭川とベトナム連携始動

北海道新聞2017年5月12日

バイオトイレ生産 正和電工現地企業と覚書
 旭川市とベトナムの経済連携を探めるため、同国クアンニン省幹部や企業経営者ら21人が旭川市を訪問した。11日、正和電工を訪れ、バイオトイレなどの現地生産・販売を推進する覚書を交わした。12日には、旭川と同国の企業が共同で農業分野の事業に取り組む「農業コンソーシアム」の設立に向け、関係者が覚書を交わす予定で、旭川の企業が同国に進出する態勢が一気に整う。

 正和電工を訪れたのは、視察団のうち、同省人民委員会のダン・フィ・ハウ委員長代理や同国の製造業大手、機械保守管理業の経営者ら14人。同社は開発コンサルタント長大(東京)と協力し、2015年から国際協力機構(JICA)を通じてバイオトイレや浄化装置を輸出。環境や住民生活の改善に貢献してきた。
 両者は現地生産を進める上での課題を協議。橘井社長は、便槽内のおがくずを回すスクリューの製造が難しく、現地で先行して作られたトイレは不十分と指摘。「ベトナム製の問題がなくなるまで3〜5年はかかる。バイオトイレの良さを伝えるため、日本からの輸出も併せて使って」と要望。ハウ氏は「技術や材質の問題もある。ベトナムに来て、指導や厳しい検査をしてほしい」と話し、現地生産への期待を伝えた。
 その後、正和電工と長大、ベトナムの2企業の代表が覚書を締結した。今後は15日にベトナムの技術者が正和電工を訪れ、製造法を学ぶ。同省は環境調査などを行い、小学校や農村部の民家、世界自然遺産のハロン湾の船場などでバイオトイレの設置を進める。
 長大は「バイオトイレの販売額は(正和電工が)国内でも最も大きい。おがくずを使っていることから汎用性も高い」と評価し、海外展開に期待を込めた。

スペシャルリポート

NIKKEI BUSINESS 2017年5月1日

限界突破集落
 老朽化したインフラ、貧弱な交通網、自治や冠婚葬祭すらままならない人の少なさ―。
「限界集落」と聞いて多くの人は、そんなイメージを抱くに違いない。
人口の過半を65歳以上が占める、地方衰退の象徴、限界集落。
だが日本には、明らかに「限界」の環境にありながら、共同生活を維持するエリアも存在する。絶海の孤島から山深い秘境まで、「限界」を突破して生きる集落の知恵と工夫を取材した。

 日本最北の有人島(北方領土を除く)、北海道礼文島にある宇遠内(うえんない)地区。グーグルマップで礼文島の西岸を丁寧に見ていくと、1カ所だけ、周囲に道などないのに海岸に人工物らしきものがある場所が確認できる。そこが宇遠内だ。
 アイヌ語で「悪い川」を意味するこの地に、本土から移住者が入植したのは明治期とみられる。入植の目的はニシン漁ともいわれているが、それにしてもなぜここまで偏狭な場所を選んだか公式な記録はなく、謎に包まれている。結局、極端な地理的条件の影響は大きく、住民は約50年前の最盛期でも十数世帯。現在は3世帯9人しかいない。
 外形的事実だけ見ると日本を代表する「THE限界集落」としか思えない宇遠内。だが、不思議なことに住民自身は「限界」とは全く思っていない。
 限界集落は1988年、社会学者の大野晃氏が提唱した概念。将来的にコミュニティーが消失する恐れがある集落を指す言葉で、人口の半数以上を65歳以上が占めることが「限界」の基準とされる。2007年の参院選で地域格差の象徴として取り沙汰され、地方衰退のキーワードとして定着した。国の調査では、全国に1万5000カ所以上ある。
 この基準に照らし合わせると、今の宇遠内は限界集落ではない。  確かに2年ほど前は65歳以上の高齢者が住民の半数を占めていたが、その後、出身者である川村桂太氏(29)、野愛さん(28)夫婦が里帰り。1年前には娘の奏愛ちゃんも生まれ、65歳以上の高齢化率は9人中3人、33.3%まで下がった。なぜ川村夫妻は戻ってきたのか。
工夫次第で普通に暮らせるからだ。
 宇遠内で文化的生活を続けるための課題の一つは厳しい自然だ。買い物は漁船に15分ほど乗り、同じ海外沿いの最も近い集落の商店に行くが、海が荒れると船を出せない。台風も大敵だ。峠を越えてきている電線が切れて停電がしばしば起こる。
 ただ、これらについては、「コメやしょうゆ、味噌は半月〜1カ月分常備し、ガソリンによる自家発電機を備えることで対応が可能」(川村氏)。むしろ、住民を長年、悩ませてきたのは下水施設がないことだった。  下水処理施設は峠の向こう4km先で、とてもそこまで配管はできない。バキュームカーも入れないため、土間などに穴を掘って板を渡してトイレ代わりにしていた。およそ衛生的とは言い難く、臭気も気になった。  この宇遠内最大の問題も解決に向かいつつある。木片の中の微生物によりし尿を分解する「バイオトイレ」が設置されたからだ。
 導入したのは旭川市に本社を置く辺境でのトイレ設置のプロ、正和電工。富士山などにもトイレを設け、「ものづくり日本大賞優秀賞」「発明協会会長賞」「環境大臣賞」などを立て続けに受賞した実績を持つ。「当社が開発したバイオトイレ『バイオラックス』は、通常のバイオトイレと違い菌の投入など業者によるメンテナンスが必要なく、限界集落での利用に極めて適している」と説明する。  一般的なバイオトイレは専用のオガクズに生息する菌によって時間をかけて排泄物を分解(無臭化)するが、普通のオガクズでの分解が可能。価格は68万円からで、し尿は1日で完全に分解され、ヒーターにより大腸菌も死滅する仕組みだ。住民からは「臭いは全く出ない」と驚きの声が上がっている。正和電工では今後もバイオラックスを、全国の限界集落に普及させ地方創生に貢献していきたい考えだ。(記事抜粋)

バイオトイレ、越で生産・販売

環境新聞2017年4月19日

覚書締結し協議へ
 正和電工は、オガクズでし尿を分解・処理するバイオトイレ「バイオラックス」のベトナムでの生産・販売に乗り出す。5月11日、12日に同国クアンニン省人民委員会のハウ副委員長をはじめとする行政機関の幹部、企業などを旭川市に招き、現地での生産・販売に向けた覚書を締結し今後の普及に向け協議する。
 世界自然遺産ハロン湾などベトナムの重要な観光資源を抱えるクアンニン省。沿岸地域では近年、急速な開発による生活排水の増加などにより水質汚濁が深刻化している。併せて、地下に浸透した排水が井戸水に流入し、周辺住民の健康被害も問題となっている。
 こうした中、同社は外務省の2013年度海外経済協力事業委託費で、バイオトイレと生活雑排水浄化装置を組み合わせた分散型排水処理システムを活用した水質改善調査を実施。その結果、水環境や衛生環境の改善効果が認められ、現地のカウンターパートであるクアンニン省人民委員会から同システムの本格導入を要望された。
 同社は現在、国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業により現地での実証試験などを進めており、今回のクアンニン省幹部の招聘もその一環。
 同社のバイオトイレ「バイオラックス」は、水も使わず、汲み取りなども不要で、し尿をオガクズで水とCO2に分解する。災害用トイレとしても注目されている。また同社では、バイオトイレと浄化装置を組み合わせ、トイレと雑排水を分けて処理するシステムも提案している。

ベトナム進出具体化

日本経済新聞2017年4月13日

旭川企業が5月、協力覚書 農業で3社、年内にも調査開始
 旭川の地場企業はベトナム進出に向けた取り組みを本格化する。5月に農業・環境分野で現地企業と協力する覚書に調印する予定。これに続き、土壌改良や農産物の洗浄機器など旭川企業3社が年内にも現地で調査事業を始める計画だ。旭川商工会議所の旗振りの下、旭川企業の海外展開が動き出す。
 進出先は北部のクアンニン省。首都ハノイから車で3〜4時間、世界遺産のハロン湾に面し年間約300万人の観光客が訪れる。旭川と同省の関わりはバイオトイレ製造の正和電工が発端だ。建設コンサルタントの長大と組み2013年から国際協力機構(JICA)の事業として調査や実証実験を行っており、これまでに54台の自社製品を輸出した。
 この連携で培った人脈を生かそうと、昨年、旭川商工会議所や地場企業、旭川市の一行13人が同省を訪れ、農場や市場、行政機関や農業大学などを視察した。観光客やハノイの富裕層へ付加価値の高い農産物の需要が見込め、旭川の農業技術で生かせる感触を得た。
5月の中旬に同省の行政機関や現地企業の幹部約20人が旭川入りして、同省の農業発展や環境保全で協力を進める覚書を企業間で交わす方針だ。旭川市も経済交流の促進で協力する。視察団の団長を務めた農業機械製造のエフ・イー(旭川市)の佐々木通彦社長は「旭川にとって新しい切り口になる」と話す。
 覚書の先には合弁で現地法人を立ち上げる構想がある。仲立ちをしてきた長大も参画する方向。現地法人は農業関連の技術供与や製品販売を行い、農産物は省都ハロン市内やアジア各国へも出荷することを想定する。
 具体的な企業活動も動き出す。旭川商工会議所は3月末、緑化工事のグリーンテックス(旭川市)と農産物生産・加工の谷口農場(旭川市)の共同提案をJICAに申請した。農業向け土壌診断・土壌改良技術の普及を図る事業規模3000万円の調査で年内にも着手する。
 グリーンテックスは調査後に独自の土壌改良材の輸出や現地製造を見据える。昨年の現地視察にも参加した佐藤一彦社長は「道内と違う病害虫の問題もあり、現地の事情を学びたい」と話す。  谷口農場はベトナム南部で野菜栽培を手掛ける現地企業とハウス栽培や食品製造のコンサル契約を結び、すでに事業を始めている。谷口威裕社長はクアンニン省でも「将来、合弁会社で食品工場ができれば参画したい」と意欲的だ。
 また、エフ・イーは独自開発した、農産品の洗浄機や選別機を現地で使ってもらう民間技術普及促進事業を提案。事業規模は2,000万円で旭川商工会議所は4月末にJICAに提案する。  旭川商工会議所は後続や裾野の広がりを期待する。新谷龍一郎会頭は「どんどん進出してビジネスチャンスをつかんでほしい」と話す。

バイオトイレ、ベトナムで生産へ

北海道新聞2017年4月13日

水質の改善実績に評価 現地企業2社と5月覚書
 バイオトイレや生活排水用の浄化装置を製造・販売する正和電工の製品が、ベトナムの現地企業で生産されることが決まった。外務省などの委託事業で4年前から製品を同国クアンニン省に輸出し、水質改善に役立ててきた実績が認められた。5月11日に同省の幹部や企業関係者が同社を訪れ、覚書を交わす。

 バイオトイレと浄化装置の現地生産は、ベトナムの技術者が同社を訪れて技術を学んだり、同社が現地に行って指導したりする。同社は輸出と並行して現地生産を進めることで、ベトナムの産業育成にも貢献する。  同社のバイオトイレは、便槽内におがくずを入れて、し尿やトイレットペーパーをスクリューでかき混ぜながら分解させる仕組み。道内外の登山道や公園などに設置され、海外にも出荷している。近年は女性専用や、スクリューを手動で回して停電時にも使えるタイプなども開発した。台所や風呂の排水用に浄化装置を合わせて設置すると、下水道が不要になる。
 同省は世界自然遺産のハロン湾があり、観光業が盛んだ。経済発展に伴う生活排水の増加や、観光船などからのし尿排出で水質汚染が深刻化している。排水が地下に浸水して井戸水に流入する被害も出ている。  同社は大手開発コンサルタントの長大と協力し、2013年度からベトナムでのバイオトイレと浄化装置の普及を外務省や国際協力機構(JICA)の委託を受けて進めてきた。2017年4月までに観光施設や観光船、学校、一般家庭にバイオトイレ27台、浄化装置18台を設置している。
 5月に旭川を訪れるのは、ハノイ市の機械製造業者とハロン市の維持管理業者の幹部や、同省人民委員会のダン・フィ・ハウ上級副委員長ら約20人。覚書の調印はベトナムの2企業、正和電工と長大の計4社が行う。長大は「正和電工は国内で最も実績がある」と評価。正和電工の橘井社長は「し尿処理に使う水を減らし、垂れ流しを防ぐことで貴重な飲み水を確保できる。いずれはバイオトイレをどれだけ普及させたかが文明発展のバロメーターになれば」と期待を込める。

バイオトイレ災害用や海外も

朝日新聞2017年2月1日

―バイオトイレの原理を教えてください。
 「様々なタイプがありますが、うちはおがくずを使います。保水力に優れ、吸い取られた水分も蒸発しやすい。固形物は腸内細菌などの微生物が分解し、特別な菌は加えません。残った少量の無機物はおがくず内の空気の穴に付着します。臭いもなく、年2〜3回のおがくず交換で済みます」

―おがくずだけでいいとは驚きです。
 「海外でも早くから山岳地のトイレで用を足した後におがくずをかける方法がありました。うちの製品はおがくずを使い続けられるのがミソ。おがくずを均一にかき混ぜるスクリューの形状が技術の肝です。ヒーターで温めることで大量処理も可能で、1日の利用回数が50回程度なら、加熱なしでも大丈夫な製品があります」

―どんなところで使われていますか。
 「下水道のない公園や山岳地が多いですが、イベントや工事現場などの仮設トイレとしても使われています。旭山動物園の入園者が急増した時は、下水道が整備されるまでバイオトイレが活躍しました。車いす用スロープをつけた障害者用トイレや、鏡や警報ベルがあり着替え用スペースもつけられる女性専用仮設トイレなど、新製品を増やしています」

―災害用にも力を入れています。
 「東日本大震災で注目を浴びました。自治体が備蓄することを想定し、簡単に組み立てられる製品を作りました。段ボール製の箱に便座を載せるだけ、箱の中のおがくずはスコップでかき混ぜる簡易型ながら、2週間連続で使える低価格製品も売り出しています」

―海外展開にも力を入れています。
 「2013年から政府の海外援助でベトナムの世界遺産ハロン湾で大規模事業を進めています。バイオトイレと、新開発した生活雑排水を木炭で処理する浄化装置を組み合わせ、下水道が不要になる仕組みを導入しようとしています」

―トイレ以外への応用もできるそうですね。
 「家畜の汚物や動物の死体も処理でき、エゾシカも太い骨だけ残し跡形もなくなります。福井県で1月26日から、駆除されたシカを連続で処理できるか確かめる実験を始め、結果が楽しみです」

旭川の企業が技術普及、製品販売 農業分野でベトナム進出

北海道新聞2017年1月13日

3社ODA事業申請へ
 旭川商工会議所(新谷龍一郎会頭)は12日、2017年度に政府開発援助(ODA)などを通じて、旭川の企業がベトナムのクアンニン省に農業や環境分野で進出していく方針を、市内のホテルで開いた視察報告会で示した。会員企業が、国内外で事業を展開する大手開発コンサルタント会社の長大(東京)と協力し、同国で技術の普及や製品販売を進めていく。

商工会議所が視察報告
 報告会には市内の経営者や、同省のグエン・バン・ドウック農業農村開発局副局長ら約50人が出席した。クアンニン省は同国北部に位置し、世界自然遺産のハロン湾がある。現在、農家の所得向上を図るための農業政策に力を入れているという。同会議所は昨年11月、現地の農場や市場、農業単科大を視察。農業技術向上や土壌改良、高品質な野菜の生産と販路確立など、同省から幅広い分野で協力が求められていることを確認した。
 現地では2015年から、国際協力機構(JICA)事業の一環で、バイオトイレ製造販売の正和電工が長大と協力して自社製品の設置を進めている。中小企業が単独で海外進出するのは難しい中、同会議所はこの取り組みをモデルに一層の進出を図る構え。今春には、少なくとも旭川の3社が最大で約5千万円の各ODA事業への参入を申請する見込みだ。
 また、政府系事業を終えた後も、採算性のあるビジネスとして続けられるよう、20年頃までに長大と旭川の企業が出資する現地法人を設立し、経営モデルの確立を目指す。
 報告会では、ドウック副局長が「旭川の企業と密接な連携が構築されることを期待している。日本企業はどんどんベトナムに進出してほしい」と話していた。

旭川商工会議所が初のベトナム農業・環境視察団派遣

メディアあさひかわ2017年1月号

 旭川商工会議所工業委員会による「ベトナム国クアンニン省農業・環境視察団」(団長=佐々木通彦・株式会社エフ・イー社長、一行13人)が11月28日から30日までの3日間、現地入りし、農業・環境に関わる実情をつぶさに視察した。短い日程ながら「これからの事業展開に向け、いくつものヒントを得た」(佐々木団長)などと、メンバーそれぞれが手にしたものは小さくなかったようだ。

より太いネットワークづくりへ
 同商工会議所としては、バイオトイレの正和電工が、コーディネーター企業である(株)長大と取り組んだ外務省政府開発援助海外経済協力事業(ODA)のスタートアップ(2015年12月)の際など、過去に2回、専務理事がベトナム入りしたことがあるが、会員企業によるこれだけ本格的な海外視察団の派遣は、ベトナムに限らず、今回が初めてという。「これまでは、正和電工さんなどのように、企業単独で海外展開を図る形でしたが、それにはどうしてもリスクが伴う。地域全体として、総合的に取り組むことは、情報の確度を高めてリクスの分散になるし、地域として応援していくことで、それぞれのネットワークも太くなると判断し、実施に踏み切った」と産業支援部産業振興課。今回は、農業機械や農業土木、土壌改良、環境関係事業などで国内でも先進的な取り組みを行っている企業が多い旭川として「農業」と「環境」に絞り込んだ視察となり、参加企業も金属加工関係が10社中4社を占めたが、ここで目を引くのは、旭川市経済観光部産業振興課から2人(課長は副団長)を送り込んだことだ。別に掲載する報告書に「民間だけでなく官もメンバーとして加わったことで、クアンニン省側に対し、(商工会議所として)これまで以上に信頼度を上げることがきた」などと、そのことによるクアンニン省側に対するインパクトは相当のものがあったようだ。

ほかの国とも同じような関係を
 今回はまた、「近い将来、ODAを使って海外事業を展開していきたい」というのが基本スタンスながら、いざ事業を動かすとなると、当座の資金が必要になってくることから、旭川信金の地域振興部もメンバーに加わった。何より心強かったのは、これまでベトナムのODA事業を数多く手掛け、ベトナム国内の事業に精通している長大のサポートを、視察の準備段階から得ていることで、3日間の視察スケジュールもまさに分刻み。視察先は、フォアフォン協同組合、ビングループ農場、SongHanh社、ベトロンカンパニー社、ハロン市内の市場、ハロン湾、VinaFor(外国人技能実習制度現地教育施設)と7カ所を数え、訪問先もドンバック大学、JICAベトナム事務所、JETROハノイ事務所の3カ所に及んだ。視察内容の詳細については、別稿「報告」に譲るとして、旭川商工会議所としては「今回の海外視察は、あとに続く企業のための先遣隊との意味を持たせたいと考えている。これからも年次ごとに視察を行い、できればベトナムだけでなく、ほかの国とも同じような関係をつくっていくことができれば―」とヤル気満々だ。旭川経済についてはこのところ、関係者の間でしきりに「旭川経済の構造改革」が口にされるようになっているが、旭川で比較的ゲンキとされるものづくり企業が多い今回の視察メンバーがこのあと、どういう展開を図っていくのか。その動向が注目される。

ベトナム国クアンニン省農業・環境視察報告(上) 〜視察目的・成果・課題〜
 今回の「ベトナム国クアンニン省農業・環境視察」には、旭川商工会議所産業支援部産業振興課の大野恵司課長が同行し、その視察の一部始終を報告書としてまとめた。A4判32ページ、掲載写真が50枚に及ぶ詳細なもので、その一部を抜粋し、「視察の目的・成果・課題」「クアンニン省側の課題・ニーズ・要望」「今後の展開」の3回に分けて連載する。まずは、「視察の目的・成果・課題」編―。

旭川のことを知ってもらう
 今回の視察目的は、@旭川のことを知ってもらうAクアンニン省の農業・環境について知るBクアンニン省との相互理解を深める―以上、3点に絞られる。@では、旭川市の基礎的な情報から旭川地域には農業(農業技術、土壌改良、農業インフラ全般等)、環境(水質浄化や産業廃棄物処理等)に関わる高い技術力製品を持った企業が多数あることを知ってもらうこと―を主な狙いに、クアンニン省との懇談会に臨んだ。席上、佐々木団長は「今回の視察結果を踏まえ、参加した企業を中心にすでにこの地域で調査している長大さんと連携し、この地域をいかにわれわれが、われわれの技術を活かした形でいろいろな事業に参画できるかということを、来年の春ぐらいまでにある程度まとめたいと考えている」などとあいさつした。この場では、ベトナム語に翻訳された旭川市の概要や企業情報をもとに同省幹部や組合、企業のトップに情報提供し、旭川地域への理解度を深めてもらうことができ、特に行政と経済界が連携して、同省に協力していく姿勢が理解されたこと、また旭川地域には同省が必要となる技術や製品を持った企業が多数あることを知ってもらえたことは大きな成果だった。懇談会後の交流会では友好的な時間を過ごすことができたが、ただ“言葉の壁”のため、深いレベルで旭川地域を売り込むことができたとはいい難く、次回の訪問の際には、ハイレベルな通訳を複数名確保し、さらに理解を深めていくことが求められる。

クアンニン省の農業・環境の現状について知る
 クアンニン省の複数の農場を視察し、農産物の種類や土壌、安心・安全、機械化、農業インフラ、現地でのニーズなどの生の情報を、参加者(専門家)の目で収集。特に農業と土壌改良については、土壌の状態や連作障害の可能性、農薬散布状況など、事前に得ることができない情報も多く含まれ、ベトナム農業のより深いレベルでの理解が進んだ。視察1回目の今回は、ベトナム農業の全体的なレベルを判断するため、多くの施設を視察することに重点が置かれたことから、それぞれの視察が薄くなった印象は否めない。次回は、協力(進出)する可能性が高い農場を絞り、より踏み込んだ詳細な視察が必要。ちなみに、視察した土壌については、石灰岩が砂状になって堆積した畑地で、粘土分の少ないアルカリ質の土である。腐植率が低いため保肥力に欠ける土壌であるが、改善は十分可能であると思えた。基礎的な土壌分析をすることで、無駄な施肥も改善できる。実際、グリーンテックス(株)が土壌改良の協力を行った畑は、藁(わら)や鶏糞などの発酵肥料を与えることで、農作物に適した土に改善され、本格的な野菜栽培が可能となっている。視察した農場を見る限り、南部の野菜生産が盛んな地域より、元々持っている土質が良く、旭川地域の技術を活用することで、本格的な野菜栽培が可能になると、参加者からも驚きの声があがった。気候が温暖なことから成長の早い作物では5〜6毛作が可能だが、連作障害に注意が必要。農薬散布については、ベトナム版GAPに則って散布が行われているとの話だが、安心・安全のブランドを進めるには“見える化”が必要で、日本の運用・管理を指導することで改善され、高付加価値商品として販売が可能になると思われる。

クアンニン省との相互理解を深める
 今回の視察では、クアンニン省をはじめ、農業・環境関連企業との親睦を深め、人的ネットワークを構築していくことが目指された。旭川商工会議所としては過去2回、ODA事業が採択された正和電工とコーディネーター企業の長大とともにクアンニン省を訪問し、地域PRを行ってきたが、今回の視察では、旭川市が初参加し、民間だけでなく官もメンバーに加わったことで、クアンニン省側に対して、これまで以上に信頼度を上げることができた。さらに旭川地域においてさまざまな技術・製品を持っている企業の参加によって、旭川地域の多様性とレベルの高さが正しく認識され、同省の農業の発展を支えるパートナーとしての理解が一層深まった。また、ドンバック大学から、日本で先生たちや学生の専門知識を高める教育を行ってもらいたい、とのお願いがあった。日系企業の協力の下、日本の高度技術を移転いただき、それを学生たちに教え、さらに最終的には農民たちに広げることが希望という。いずれにしても、今後は“ボタンの掛け違い”などが起こらないよう、しっかりとした通訳を雇用すること、農業・環境に係わる事業を推進していくための、キーとなる人物をできるだけ早く見出し、具体的な協議を進めていくことが必要。クアンニン省人民委員会のハン副委員長(日本の副知事に相当)は決定権者であることから、必ず押さえておかなければならない人物の一人で、それとは別に実際に旭川地域と連携して事業を推進する実務面担当者を見つけることも求められている。ちなみにこの1月12日、クアンニン省側の視察団が旭川入りする。ODA事業としての申請は3月の予定で、事業採択が見込まれる5月ごろにもハン副委員長が旭川に入り、7〜8月に事業採択の予定になっている。