家畜排泄物が地下水や河川の汚染、悪臭、 病害虫の発生などを引き起こし、環境問題となっています。 「家畜排せつ物の管理の適正化および利用の促進に関する法律」の施行により、従来のような野積みや 野掘りが許されなくなった畜産農家の経営には、糞尿処理問題が重くのしかかって来ています。 畜産業にとって、家畜糞尿処理方法の確立は、将来を左右するほどの重要課題となりつつあります。 人間用に開発されたバイオトイレを大型化し、大量に発生する家畜糞尿に応用できないかとの 期待から、家畜用バイオトイレの製作を試みる事になりました。2002年には補助事業に決定し、 地域創造技術研究開発事業補助金を得(産・官・学の企画で道内から8件のプロジェクトが採択されています)、 現在も研究開発が続いています。
左:イギリスのピーター・ハーパー氏に「無臭の理由」を説明する弊社社長。 右:家畜解体残差処理実験における浄化槽スカム投入。この52日間の実験における総投入重量は約42.5トン。
破損の理由は「オガクズに加わる負荷の増大」によるスクリュー破壊と減速機の破損、駆動モーターの 出力オーバーによる「焼ける」です。製作にあたっての課題は、「処理機本体の適正強度」であり、 「過剰強度は不要」でした。攪拌スクリューの改良と改善で「壊れる」危険性は低くなりました。 また、処理済みのオガクズを取り出した「処理機内部の状態とスクリューの状態」は、攪拌される オガクズに磨かれて光っていました。この現象は、処理槽とスクリューの「サビによる腐食の心配」が 無いことを証明しています。スクリューの回転時の初期駆動も「ゆっくりと回転を開始」します。 これは、インバーター制御の効果です。以上の結果より「壊れる」心配は低くなったと判断しました。 耐用年数は5年以上、「10年は大丈夫」を目標に製造しています。定期点検は使用者が自分で行い、 「メーカーは出番無し」をモットーにしたいと思います。
実験の結果、悪臭は出ませんでした。もし、オガクズに撹拌不良個所があった場合は ものすごい臭いが出る筈です。水分の蒸発が悪い場合も同じです。 投入口のフタを開けると立ち上る湯気に驚きます。しかし、湯気に悪臭はありません。中のオガクズを手に取り、 鼻に近づけて臭いを嗅いでも悪臭はありません。確実に発酵が進んでおり、香ばしい臭いがします。 心配された「デッドスペース」の発生が無かったことを意味します。
ハラ糞の分解消滅に時間がかかることが判りました。消滅の過程で粉となり、排気筒の内側に付着しました。 やがて付着した粉分が排気筒の中に装着している排気ファンの上に落ち、排気ファンを止めたことがありました。 制御盤の表示に「排気ファンの異常停止」サインが出ましたが、排気筒の点検口から付着物を取り除き、正常化しました。 ハラ糞は、分解消滅の段階で微粉化するので、水分蒸発を促進するために装備した送風機を稼働させる事ができませんでした。 オガクズ全体が相当な含水状態の時にしか送風できないことになります。これは、糞尿処理実験では無かったことでした。 スクリュー回転時に送風すると水分の蒸発量が格段に上がることになります。オガクズがサラサラと乾燥状態の時は、 含水率の高い処理物をドンドン投入できます。処理槽の下部は高温で、80度から90度以上になっていますので 水分蒸発は活発になります(大腸菌等の有害筋は50度以上で死滅します)。
S-2400型は、S-800型の実験結果から、処理機本体の強度、スクリューの改良改善、モーターの選定、 制御方法の改善、ヒーターの改善、処理能力アップ策等々を検討して開発されました。 糞尿処理能力のポイントは、含水率の高い「ベタベタ糞尿の水分をいかに飛ばすか」です。 オガクズの特色をフルに活かして「臭いを発生させずに」大量の水分蒸発が可能になりました。 固形分の分解は、糞に含まれている腸内細菌の働きで、「水と二酸化炭素に分解」されて蒸発します。 分解されない無機成分の肥料分「P.N.K」がオガクズに付着して重くなります。糞尿を処理した結果、 理想的な有機肥料が出来ることになります。 この実験の結果、S-2400型1台で乳牛約50頭分以上の糞尿処理が可能であることが想定できます。 ランニングコストは電気代とオガクズ代です。