有機物リサイクルシステムで持続可能な社会を
正和電工株式会社
自然の力で分解できない大量の糞尿は土壌汚染、そして環境破壊へとつながります。正和電工のバイオトイレシリーズはこうした問題の解決に取り組みます。 バイオトイレBio-Luxイメージ バイオトイレBio-Lux国土交通省認定・新技術NETIS No.HK040017-A
   
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公開実験報告 家畜用

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家畜用バイオトイレ

日本木材学会北海道支部講演集 第33号より
家畜糞尿の資源化
-オガ屑を人工土壌として活用した豚糞尿の分解・消滅処理-
正和電工(株)橘井 敏弘、袰地 伸治
北大・院農 寺沢 実
1.はじめに

 家畜糞尿の処理問題が、畜産農家の経営に重くのしかかってきている。 「家畜排泄物の管理の適正化および利用の促進に関する法律」が施行され、従来行われてきた野積みや野掘りが 許されなくなったからである。糞尿の処理方法の確立の有無が、北海道の畜産業の将来を左右するほどの重要 課題となりつつある。
 このような事情を背景に、冬期間は凍結によって使用不可能であった既設の乳牛糞尿処理用のグリーンハウス内の 堆肥化装置を、年間を通じて稼働するための試験が行われた。2000年の夏から2001年の夏にかけて冬期間を挟み、 オガ屑を水分調整材として使用し、乳牛糞尿の分解処理を行った。その結果として、堆肥化施設は、冬期間も 凍結することなく稼働が可能となり、オガ屑を水分調節材として、何度も繰り返し使用することが可能であることが 実証された。この試験期間中、乳牛糞尿は年間を通じてオガ屑中で分解・消滅していることが明らかとなった。
 他方、同じくオガ屑を人工土壌マトリックスとして活用した「バイオトイレ」の有用性が各地で認められて きている。昨年の夏の富士山5合目(須走口)での実証実験の成功に続いて、この夏の富士山頂での実証試験の 成功の報道は記憶に新しい。確かに、人糞尿はオガ屑中で無臭の内に、分解・消滅し資源化されている。
 上記の試験により、バイオマス廃棄物の資源化のためのオガ屑の人工土壌マトリックスとしての能力が十分に 実証された。このオガ屑を活用したバイオトイレ・システムを大型化すれば、原理上、家畜の糞尿を同様に 分解・消滅・資源化させることができる筈である。この課程をもとに、家畜糞尿の資源化処理用の大型装置の 開発を試みた。


2.実験方法
2-1 装置

 補修時を考慮して、8tトラックに載せて運搬できる程度の大きさを想定し、 縦・横・奥行きがそれぞれ1,800・5,000・1,800cmの装置(図3)となった。径160cmのスパイラルスクリュー (芯棒の径267mm、写真1)を装備し、200V、22Aで、5.5KWの直結型モータでスクリューを回転させた。 加熱のために800Wのヒーターを9本取り付け、槽内の加温温度が60度になるように調節した。 この大型装置を、家畜糞尿資源化装置S-800と仮称する(写真2)。

スクリュー 外観
写真1,家畜糞尿資源化装置の内部に装填されるスパイラルスクリューの外観 写真2,家畜糞尿資源化装置S800の屋外での外観(2台が並置されている)
図3,家畜糞尿資源化装置S800の見取り図
2-2 オガ屑(人工土壌マトリックス)

 トドマツを主体としたオガ屑を、人工土壌マトリックスとして8m3を 投入した。マトリックスの初期含水率は20%前後であった。

2-3 豚糞の処理

 本研究においては、豚糞を分解・消滅の対象として用いた。旭川郊外の大坂畜産(株)の 豚舎から排出される豚糞の内から、0.5tの糞尿を2台の装置に1日おきにブルドーザのバケットで投入し処理した(写真3)。 この方法によると、次の糞尿が投入されるまでに48時間の猶予があり、この間に水分の蒸散も効率よく行われ、糞尿の分解・処理が スムーズに進行した。実証試験期間は、2001年の6月28日から7月22日までであり、期間中の稼働状況は一般公開とした(写真4)。

豚糞尿の投入状況 稼働状況の公開
写真3,家畜糞尿資源化装置への豚糞尿の投入状況 写真4,家畜糞尿資源化装置の稼働状況の公開 (稼働中の装置の上から槽内を視察する関係者は臭気を感じていない)

3.結果と考察
3-1 装置の稼働

 家畜糞尿資源化装置を、25日間にわたって連続稼働した。その間に、総量12.5tの豚糞が無臭の内に、 分解・消滅し、試験は成功裏に終了した。

3-2 臭気の発生の有無

 オガ屑中の好気性条件下で、豚糞尿は、無臭の内に分解・消滅した。運搬されてきたスラリー状態での 豚糞尿は、かなり臭気もきつかったが、それが、装置の反応槽に投入されると臭気が消え、それ以後、装置の稼働中に臭気が発生することはなかった(写真4)。
 スラリー状態にある糞尿混合物が臭いのは、嫌気性状態にあるために、尿中のアンモニアが糞中の嫌気性微生物の生産する ウリアーゼの働きによって炭酸ガスとアンモニアに分解することで強烈な臭気が発生するからである。一方、大量のオガ屑が存在する 分解反応槽内に投入された糞尿混合物は、オガ屑と混合され、その表面に攪拌・分解してゆき、一気に好気性状態へと変換する。 好気性状態下では、アンモニアの生成が抑制されると同時に、好気性微生物によって糞尿が無臭の内に酸化分解する。 まさに、空隙率の高さ、吸水性の良さ、排水性(蒸散性)の良さなどの特色を有するオガ屑ならではの効果である(図1)。

図1,糞尿は個別に扱うと臭気は少ない
3-3 装置内のマトリックスの含水率の変動
 糞尿処理の継続により、含水率は、最終的に60%までに上昇した。

4.問題点と課題
4-1 バイオトイレ、家畜糞尿資源化装置の原理 図2,糞尿の90%は水分

 家畜糞尿や人糞尿は、その90%以上が水分である。臭いを出さずに水分を蒸散・消滅させることが出来るならば、残りの10%弱の 糞尿中の固形分の生分解はそう難しい話ではない。先にも述べたようにオガ屑中においては、無臭の内に水分が蒸発し、 固形分は生分解されている。バイオトイレや家畜糞尿資源化装置は、言ってみれば、効率の良い無臭・水分蒸発装置であるといっても 大きく外れていない。糞尿は、好気性の状態が保たれている限り、無臭の内に濃縮され、分解されてゆき、最終的に ミネラル分がマトリックス内に濃縮され資源化されて行く(図2)。

4-2 装置の改良点

 新しい大型の家畜糞尿資源化装置を試験稼働した結果、豚糞尿は見事に無臭の内に分解消滅し、 関係者を喜ばせた。しかしながら、使用したモーターの馬力とスクリューの強度(しめった大量のオガ屑の攪拌に係わる)、 ヒーターの加熱能力(効率の良い水分の蒸発に係わる)、通気塔や装置の断熱効率(水分の結露防止、冬期間の稼働に係わる) などに改良すべき点を見いだし、現在改良中である。

4-3 乳牛糞尿・他の糞尿処理

 豚糞は人糞尿と組織的に類似している。従って、豚糞尿用の資源化装置は、人糞尿用のバイオトイレの 延長上で装置を拡大するとの発想で良かった。実際に、その線上での家畜糞尿分解処理装置の開発が行われ、成功した。 しかしながら、乳牛糞尿は尿の量が圧倒的に多く、豚糞尿とは組織的にも違っている。この乳牛の糞尿の資源化処理が次なる ターゲットである。先に述べたように、オガ屑を水分調節剤として用いた開放系での乳牛糞尿資源化にも成功しているので、 オガ屑を十分に用意する限り、おそらく問題なくクリヤーするものと予想している。
 一番やっかいな乳牛用の糞尿資源化装置の開発に成功すれば、後は、肉牛、馬牧場での糞用の処理は自動的に解決するであろう。 また、鶏糞の資源化処理には、そのC/N比の高さから、他にC源を求めるなどの工夫が必要である。ペット用のトイレ、 特に猫用トイレの「猫砂」の開発、装置の開発も次の目標に入っている。

4-4 作業費用

 本実験で作成した装置は、現在の所250〜500kg/日の処理能力の装置である。 100頭の乳牛を飼育する酪農家からは、薬6t/日の糞尿が排出される。従って、酪農現場に本格的に導入するには、 さらに装置を大型化するか、必要台数を揃える必要がある。いったい酪農家はどれほどの経費の負担ならば耐えうるのか。 道や国はどれほどの補助金予算を組んでいるのか。需要に合わせた価格で、はたして供給可能か。今後の、 厳しい市場での査定が控えている。


5.おわりに

 湿ったオガ屑を攪拌し、好気的条件を維持することは、大型化すればするほど 難しくなる。エアレスポケットの形成を極力回避せねばならないからである。今回、バイオトイレの大型化に挑戦し、 豚糞尿の資源化に成功した。単にオガ屑に混ぜ込むだけの単純な操作で、豚糞尿が見事に無臭の内に分解・消滅・ 資源化されたことは、畜産関係者には大きな驚きであったようだ。現場では、糞尿処理と臭い対策とが、何より 頭の痛い問題となっている。
 オガ屑の人工土壌マトリックスとしての能力を、関係各位によく知ってもらい、オガ屑を利用したバイオマス 廃棄物の資源化・循環システムの構築と確立に、早急に取り組んでいただけたらばと念願している。

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