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朝日新聞に弊社が掲載されました 2017.2.1

バイオトイレ災害用や海外も

――バイオトイレの原理を教えてください。
 様々なタイプがありますが、うちはおがくずを使います。保水力に優れ、吸い取られた水分も蒸発しやすい。固形物は腸内細菌などの微生物が分解し、特別な菌は加えません。残った少量の無機物はおがくず内の空気の穴に付着します。臭いもなく、年2~3回のおがくず交換で済みます。

――おがくずだけでいいとは驚きです。
 海外でも早くから山岳地のトイレで用を足した後におがくずをかける方法がありました。うちの製品はおがくずを使い続けられるのがミソ。おがくずを均一にかき混ぜるスクリューの形状が技術の肝です。ヒーターで温めることで大量処理も可能で、1日の利用回数が50回程度なら、加熱なしでも大丈夫な製品があります。

――どんなところで使われていますか。
 下水道のない公園や山岳地が多いですが、イベントや工事現場などの仮設トイレとしても使われています。旭山動物園の入園者が急増した時は、下水道が整備されるまでバイオトイレが活躍しました。車いす用スロープをつけた障害者用トイレや、鏡や警報ベルがあり着替え用スペースもつけられる女性専用仮設トイレなど、新製品を増やしています。

――災害用にも力を入れています。
 東日本大震災で注目を浴びました。自治体が備蓄することを想定し、簡単に組み立てられる製品を作りました。段ボール製の箱に便座を載せるだけ、箱の中のおがくずはスコップでかき混ぜる簡易型ながら、2週間連続で使える低価格製品も売り出しています。

――海外展開にも力を入れています。
 2013年から政府の海外援助でベトナムの世界遺産ハロン湾で大規模事業を進めています。バイオトイレと、新開発した生活雑排水を木炭で処理する浄化装置を組み合わせ、下水道が不要になる仕組みを導入しようとしています。

――トイレ以外への応用もできるそうですね。
 家畜の汚物や動物の死体も処理でき、エゾシカも太い骨だけ残し跡形もなくなります。福井県で1月26日から、駆除されたシカを連続で処理できるか確かめる実験を始め、結果が楽しみです。