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北海道経済22年8月号に弊社が掲載されました 2022.7.22

貝殻粉砕装置 ラーメン店用骨破砕装置も開発中
正和電工バイオトイレ 特別賞獲得

 

 環境保護意識が世界的な規模で高まりを見せているが、正和電工㈱は人間の排泄物をオガクズと微生物の力で処理するバイオトイレや駆除されたシカなどの獣の分解処理装置だけでなく、これまでになかった新しい分野の機器開発に取り組むなど、積極的な動きを見せている。

 6月9日、正和電工にうれしいニュースが飛び込んできた。大阪の大型見本市会場インテックで開催された「建築材料・住宅設備総合展」(通称KENTEN)の優良製品・技術表彰で、同社の環境にやさしいバイオトイレBio-Luxが特別賞に選ばれたのだ。

 他にも優れた技術を投じた建材や設備、技術が受賞した。経済産業省と国土交通省の認める唯一の建材・住宅設備の賞の獲得は、大規模な下水道システムよりもはるかに小さな悪影響しか地球環境に与えず、災害にも強いバイオトイレの強みが高く評価された結果だ。

 近年、正和電工が注力しているのが、農作物への悪影響などを理由に駆除された動物の体を分解処理する装置。野生のシカは流通経路が確立しておらず、また肉の質にも処理の状況や季節によってばらつきがあることから、どう処理するのかが自治体の悩みとなっている。すでに多くの納入実績があるが、今年は宮城県大崎市、同七ヶ宿町にそれぞれ2台、1台の分解処理装置、別に大崎氏に1台の骨破砕機を販売することがほぼ決まっている。

 

 骨破砕機が必要となるのは、大型獣のシカは骨もまた大きく、そのままでは処分に時間がかかるため。自治体の直面する悩みを知った正和電工では、金属部品が内部で回転して大きな骨を細かく破砕する装置を開発した。

 いま、その技術が意外な分野で活用されようとしている。旭川ラーメンのスープの美味しさを生み出すのが豚骨。通常は寸胴鍋の中に豚骨を“ゴロッ”と入れて、太い骨の中心部まで加熱するため、長時間煮込まなければならない。しかしこの作業が従業員の労働時間が伸びる原因となっている。また、加熱と温度の維持に必要なガスの値上がりも進み、コスト面からも別の方法を求める声がラーメン店から上がっていた。

 このため正和電工ではラーメン店用の骨破砕機の開発に着手。ラーメン店の協力を得て行ったテストでは、短時間煮込むだけで骨髄のうまみを抽出でき、燃料コストも節約できることが確かめられた。

 並行して開発しているのが貝殻の粉砕装置。オホーツク海沿岸の自治体ではホタテ貝の養殖が盛んだが、貝殻の処理が悩みのタネで、処理場や漁港のそばで大量の貝殻が山積みになっていることもある。粉砕装置を使えば、文字通り「粉」にすることが可能。カルシウムを豊富に含む粉は、農業肥料やコンクリート骨材として再利用できる。どこまで小さく砕くのかは調整が可能で、稚内郊外の「白い道」のような道の整備も容易になるかもしれない。

 

 ラーメン店用の骨破砕装置も貝殻の粉砕装置も細かい調整を加えて近く発売する方針だ。バイオトイレから出発した正和電工の開発した多彩な商品は、今後、幅広い分野で活躍しそうだ。