知財功労賞選出
橘井さんに喜びの声
旭川「カンディハウス」も

　特許権や実用新案権などの産業財産権制度の発展に貢献した個人・企業などをたたえる今年度の知財功労賞の特許庁長官表彰に道内から旭川市の正和電工社長、橘井敏弘さん(78)と、同市の家具総合メーカー「カンディハウス」(染谷哲義社長)が選ばれた。18日に東京で表彰式が行われる。

　橘井社長は、排せつ物とおがくずをかき混ぜ、微生物の力で分解処理するバイオトイレの製造・販売を手がけ、市内の小中学生の見学も積極的に受け入れてきた。旭川発明協会長としても行政や教育機関と連携して制度の普及啓発を進めた。

　「活動が評価されてよかった」と喜ぶ橘井社長は、大規模災害時に避難所で活用できるコンテナ型のバイオトイレ開発に取り組むなど、今も意欲が衰えない。

　カンディハウスは創業当初からデザインを最も重要な経営資源と位置づけ、地球環境と調和したデザイン経営を実践。2013年は10％だった道産材の購入率を24年は86％に引き上げ、輸送による二酸化炭素排出量を63％削減したほか、旭川市のデザインイベントで運営の中核を担った。
染谷社長は「デザインへの情熱と旭川家具の伝統を守り、革新を続ける挑戦が認められた証」と喜びのコメントを発表した。【横田信行】