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北海道新聞に弊社が掲載されました 2016.3.12

正和電工のバイオトイレ水不要、震災後に注目高まる

 「トイレに困っていなかった日本人が、水洗のみでは駄目だと気付いたのが東日本大震災だった」
 旭川市のバイオトイレ製造販売、正和電工の橘井社長はこう強調する。同社のバイオトイレは、処理槽内におがくずを入れ、おがくずに含まれる微生物に排せつ物を分解させる仕組み。し尿は蓄積されず、においもほとんどない。被災地の避難所などで数十台が使われ、下水道もくみ取りも必要ない上、悪臭がしないと喜ばれたという。
 震災後、バイオトイレの資料請求は月20~50件に倍増した。全国の自治体や設計会社が多いが、中国など海外からも増えている。

同社がバイオトイレの開発に着手したのは1995年。当初、普及の障害になったのが法だという。
 建築基準法は、下水道のある区域の常設トイレは水洗式しか認めていない。同社は2005年から規制緩和を求めてきたが、国土交通省からは「現行法でも対応可能」との回答が続いた。橘井社長は「判断が自治体に任され、実際には普及は難しかった」と振り返る。
 しかし、震災の翌12年、同社の10回目の規制緩和の申請に対し「バイオトイレは仮設建築物として扱い、建築基準法を適用しない」という趣旨の回答が公示された。
 橘井社長は「震災で国の対応も変わった。親身に相談に乗ってくれ、法の壁が解決された」という。
 とはいえ、バイオトイレは総じて水洗式の仮設トイレより価格が高い。注目度は高まったが、どう販売に結びつるかが課題だ。「有事の際、バイオトイレを急に用意するのは難しい。避難所になる公園などに設置し普段から使ってもらえれば」。節水でき、地球環境のためになることなども訴えて普及を図る考えだ。