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北海道経済20年8月号に弊社が掲載されました 2020.7.14

駆除シカ分解装置、本州で相次ぎ受注

 バイオトイレと並ぶ正和電工の主力製品、駆除シカ分解装置が、獣害に悩む本州の自治体から注目を集めている。一昨年、福井県内で売れたのに続き、その効果を知った石川県や宮城県の自治体からも注文が相次いだ。また、コロナウイルスの影響で出張が困難になっているこの時期でも同装置の性能をアピールするため、プロモーションビデオを制作。拡販活動にさらに力を入れたいとしている。

 オガクズと微生物の力を活用して、し尿を分解するのが正和電工のバイオトイレ。同じ原理を活用しているのが駆除シカ分解装置だ。装置内に投入されたシカの死骸はオガクズとともに一定温度に保たれた状態で定期的に撹拌され、約2週間の発酵を経て、太い骨を残して完全に分解される。もともとは道内でのエゾシカを念頭に開発された装置だが、イノシシなど他の害獣にも活用できる。
 この装置へのニーズが伸びている背景には、全国的な害獣の増大がある。かつてはきちんと手入れされていた田畑から少子高齢化のために人の姿が消えて荒れ放題になり、イノシシやシカがエサを求めて徘徊する。やがて荒地に隣接する田畑の作物にも食害が及ぶ。
 獣害を抑制するため、猟銃を使うハンターや、わなの使用方法を学んだ農家による駆除が行われており、その一部は食肉として活用されるが、食肉処理の設備が不足し、手間もかかるため、森の中に打ち捨てられているものが多い。有害鳥獣駆除に力を入れる自治体ほど、高い能力を備えた処理施設が必要となっている。現状では埋設処理と焼却処理が一般的だが、前者は広い敷地と地権者の同意が必要、後者は排煙による環境汚染のおそれがあり、燃料費もかかる。正和電工の駆除シカ分解装置ならこれらの問題をクリアーできる。
 同社は2018年、岐阜県に隣接する福井県大野市に、駆除シカ処理装置2台と骨粉砕機1台を納品。この装置が駆除シカの処理に威力を発揮し、今年5月、農林水産省のウェブページで紹介された。その後、石川県輪島市、珠洲市、穴水町、宮城県丸森町からの受注が相次いだ。2021年度に向けた見積もりの依頼も地方自治体から寄せられており、今後も受注が続く見通し。1自治体あたりの売り上げは数千万円に達する。
 本来ならこの時期、駆除シカ処理装置に関心を持った自治体による正和電工への視察が増加しても不思議ではないが、新型コロナウイルス感染を懸念して視察を見合わせるむきもあることから、同社ではプロモーションビデオの制作を旭川市内の映像制作会社「HADAKA DENKYU」に委託し、6月下旬から撮影を行った。シカの駆除段階から、機器投入から分解完了までの様子を同社の星野智哉ディレクターが撮影し、10分程度にまとめた。映像はDVDで配布、ホームページで公開する方針。
 正和電工は2年前にもバイオトイレの機能を解説する英語版映像を制作し、YouTubeで公開している。